第46話 女友来訪
私は左右田彩夏≪そうだあやか≫、友人の神宮寺小夜≪じんぐうじさよ≫ちゃんと、笹塚かのんちゃんのお家にお泊りで遊びにいくことになった。
かのんちゃんは私たちの自慢の友人だ。
お父さんがアメリカ人でお母さんが日本人のハーフで、白い肌、亜麻色の髪、とび色の目をした飛び切りの美少女だ。
我が陸上競技部のエースで、その実力は中高一貫のお嬢様学校の部活のレベルをはるかに凌駕≪りょうが≫している。
しかもお母さまは大会社のオーナー社長、社長令嬢だ。
それにかのんちゃんは大人だ。なんと中二にしてすでに婚約者がいるという。しかものもその彼とはもう大人の関係で、彼の裸も知っているそうだ。
「はん、婿さんなんだからあたりまえでしょ」
夏合宿でお泊りした時、大人の男女のあれやこれやをいろいろ聞かせてくれた。
男の人のものって、これくらいの大きさで、こんな形をしているのよと絵を描いて説明してくれた。それは、「こんなのがどうやってズボンの中に納まっているの?」と思うくらい、大きくて、形状もグロテスクだった。
大人の男女がどういうことをするかも図解入りで説明してくれた。私たちは興奮してキャーキャー騒ぎながら、彼女の話を聴いた。
是非その大人の彼に会ってみたいというと、あっさりOKがでた。
「いいわよ、シェアハウスで同居しているからいらっしゃいな」
同居ですって、きゃー。
ということで、土曜日の午後、私と小夜ちゃんは、かのんちゃんと落ち合い、社長秘書の女性が運転する高級車に乗せてもらって、シェアハウスに向かった。
それは、意外にも古そうな木造二階建ての一軒家だった。
「淳史、私の陸上部の友達の彩夏ちゃんと小夜ちゃん。かわいいからって手を出しちゃだめだからね」
早速かのんちゃんが婚約者の二子神淳史さんを紹介してくれた。確かに大人だ。しかもかっこいい。
もう一人、山上美和さんを紹介してくれた。かのんちゃんが「美和ねえさま」と呼んで慕っている人だ。こちらも、理知的できれいな大人の女性だ。
あれあれ、でも、この淳史さんと美和さん、雰囲気がラブラブっぽいぞ。年齢も一緒の幼馴染同士というし、どう見ても、淳史さんと美和さんが婚約者同士で、かのんちゃんはその妹か娘だ。
「なにいってんのよ。淳史は私の人生のパートナーになるのよ。仕事もだけど、一緒に楽しい家族をつくるんだから」
かのんちゃんはこともなげにそう言うけど、なんだかなー。
それに、このハウスには女性がもう三名暮らしていて、かのんちゃんはこのハウスのオーナー兼管理人なんだそうだ。
女医さんでシングルマザーの遥さん、保育士のひなたさん、その従姉の真優さんが交互に顔を出して気さくに挨拶をしていく。 シェアハウスだから当然と言えば当然だけど、住人同士はすごく仲が良さそうだ。
でも、普通、婚約者が住んでいるアパートに、女性ばかり五人も住まわすかな? しかも、こんなプライバシーの保ちにくい環境のハウスに。
かのんちゃんも美和さんも淳史さんも、この三人の関係、なんだかおかしい。いや、このシェアハウス自体が、微妙に怪しい。
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