第33話 百合姉妹
「かのんが淳史とする時は、ねえさまも一緒よ。きっとよ、約束して」
あの一夜以来、かのんちゃんが私にべったりになった。
週末にハウスを訪れたかのんちゃんは、夕食は全員そろってリビングで取るものの、それ以降の時間は、私と二人で管理人室のマンションで過ごすようになった。
高級マンションであるからして、もちろん隣のハウスの物音など全く聞こえない。
というか、最初からこうすればよかったんじゃない。かのんちゃんを私の部屋に泊まらせるのではなく、私がこっちに泊まれば、何も敦ちゃんと私の行為を見せる必要もなかった。
敦ちゃんの浅知恵に乗った自分が馬鹿だったというか、でも、まあ、あれがきっかけでこうしてかのんちゃんと仲良くなれたのだから、良しとするか。
かのんちゃんは、白い肌、亜麻色の髪、とび色の瞳をしたハーフの美少女だ。こんな美少女になつかれて、うれしくないはずはない。
かわいい、とにかく彼女のことがかわいくてかわいくて仕方がない。
二人きりになると、私たちはまず一緒にお風呂に入る。
洗いっこをした後、私は成長期真っ盛りの彼女の身体検査をする。
「ふむふむ、胸はまた少しふくらんだかな。(もみもみ)」
「あんっ」
「シモの毛はどうかな、足を開いてよく見せてね。ふーん、髪の毛と少し色が違うね」
「えへへ、こっちはね、栗色なんだよ」
風呂から上がって身体を拭き、髪を乾かしてからも、女二人の気安さで、私たちはそのまま裸で過ごす。二人ヌーディストクラブだ。
当然寝る時もそのまま。生まれたままの姿でベッドにはいると、かのんちゃんが「淳史のまねっこしちゃおう」
と言って私にいたずらを仕掛けてくる。
敦ちゃんのようにピンポイントで気持ちいいところをついてくるわけではないけど、彼女の華奢な指がもたらす感触は、敦ちゃんとはまた違って、これはこれで反則気味に心地よい。
「あん、かのん、もう、やめてったら」
と言いながら、つい膝をゆるめて受け入れてしまう。
でも、姉として、いつまでも彼女のいたずらを許しておくわけにはいかない。頃合いを見計らって、私はおしおきをする。
「かのん、いい加減になさいね」
体勢を入れ替え、彼女をベッドに組み伏せると、行為を中断されて不満げにとがらせた彼女の口を、私の唇で塞ぐ。
「んっ」
効果てきめん、私のこの反撃で、かのんちゃんはいたずらを止め、とても従順になる。
朝食を食べにリビングに行くと、遥さんから声をかけられた。
「あ、ロりねえ、おはよう」
真優ちゃんが、それに続く。
「百合ねえは、コーヒーにする? それとも紅茶?」
え、え、ロリとか、百合とか、それって、もしかして私のこと!?
(第二部:完)
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