第3話(1)

 あー、なんでこうなったかなあ。やっぱり、洞窟に行ったのがいけなかったかな。


 リーダー格は俺を睨んで、注意をした。

 

 「おい、暴れるなよ! せっかくの顔が台無しになっちまうぜェ?」


 分かってるよ、まったく。こいつ、さっき俺が股に一発蹴り入れたことを根に持ってるな…。


 「………」


 返事はしてやらない。する必要がないからだ。


 ていうかこいつ、ずっと俺の前にいるんだけど。邪魔だなー。


 なんかチラチラ見てくるし。


 さてと、ここはどこだろう。まず、俺は鉄柵の檻の中だ。その前に、リーダー格が一人。その周りは特に何もなし。ただ狭いだけ。扉が檻の前にあって、そこから声が聞こえてくる。なんか下品な笑い方だから、おそらくリーダー格の後ろにいた奴らだろう。それから、一応清潔ではある。


 てか、普通に寒い。これ、風邪ひくんじゃね? とか思ってたら。


 はっくしゅん!


 「おい、どうしたァ?」


 「………」


 あー、寒い。なんとかして暖を取れないかな。


 「おい、寒いのかァ?」

 

 と、ガタガタ震えていることに気づいたようで。


 リーダー格は黙って部屋の外に行ってしまった。その時に部屋の外をあわよくば見れないかなと思ったが、リーダー格の体がデカくて見れなかった。


 デカすぎだろ、アイツ。


 そんなことを考えていれば、リーダー格が戻ってきた。


 手にはタオルケットを持っている。


 「ほらよ、これ使えよォ」


 くれんの? じゃ、遠慮なく〜。


 俺は、タオルケットを奪い取り、自身の肩に掛ける。


 これ、あまり意味ない気が…。嫌がらせか?


 てか、服が濡れてて気持ち悪い。脱いじゃおう。


 と、上半身の服を脱いだら、リーダー格がギョッとした。


 「おい、何脱いでんだよォ!」


 「……だって、濡れてて気持ち悪いから」


 初めて返事をしたからか、リーダー格は驚いていた。


 それから、忌々しげに顔を歪めた。


 「……チッ、手のかかる野郎だァ」


 渋々といった感じで、また部屋を出て行った。やっぱり、部屋の外は見えない。


 リーダー格が戻ってきて、手には服を持っている。


 「ほらよ、これで我慢しろよォ」


 俺に服をくれたから、遠慮なく奪い取って着替える。ついでに、体も乾かしたいと言ったら、四角形の板みたいなものも持ってきた。


 なんだこれ、と思っていたら。


 「これで乾かせ。まあ、ないよりかはマシだろォ」


 なんと、これが乾かす道具らしい。全然そんなふうには見えないけどな。


 それを受け取ってみると、少し重かった。金属板か?


 スイッチらしきものもないので、どうやって使うのかさっぱり分からない。これを持って固まっていると、リーダー格が呆れたような顔をした。


 「はぁ…。これの使い方も分かんねェのかァ? 普通に使われてるものだぞ?」


 ……。そんなの言われたって、分からないものは分からない。


 「これはな、妖気を注ぐだけでいいんだよォ」


 は? ようき? なんだそれ。






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みなさんどうも、六月です。

今回長かったので、分けます。

ちょっと見にくいと思いますが、どうか読んでいただけると嬉しいです。

そして、アドバイス等ありましたら、遠慮なく言っていただきたいです。

これからも、六月をよろしくお願いします。

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