第1話
あ〜、ねみぃ…。
暖かな春の陽気は眠気を誘う。
俺は、何度目か分からないあくびをする。
「うぅ〜ん、最近、受験勉強漬けだったから疲れてるのかもしれないな」
早く家に帰って寝よう。
俺は平凡高校生になったばかりの
うるせぇな、俺は平凡でいたいんだよ。
ていうか、なんか今日はやけに疲れてないか?最近の勉強の疲れもあると思うが…。
やっぱり無駄なことを考えてないで、さっさと帰ろう。
それに、なんかイヤな予感がするしな。
しかし、こういう時のイヤな予感は大抵当たるものだ。
突然、激しいめまいにおそわれる。立ちくらみがして、立っていられなくなったとき。
地面が、消えた感覚がした。地面の上に立っていない。それが分かる。
落ちていく感覚がする。それに抵抗しようとして、できなかった。
体が、動かないのだ。指一本すら動かせない。
激しいめまいが収まらない。むしろ、落ちてから更に悪くなった気がする。
「あぁ…、俺、死ぬのかな」
死ぬのならせめて、高校生活を
迫りくる死にそなえ、
あんなに激しかっためまいが収まり、大きな浮遊感に覆われた。
そのことに疑問を感じながらも、意識は薄れていく。
声が聞こえたような気がしたが、もう意識は消えかかっていて、その声を認識することもない。
ただ、なんだか、とても懐かしいような気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます