第31話 4階の見学① ふわふわな魔法使い達
中央の階段を登りきると、ふいに、教頭が振り返りえり片手をあげる。そうして彼が呪文を
建物の動きが止まった時には、窓のないのただの壁が、そこにあった。
「ここを閉じる事によって、戦いのさなか敵の駆け上がる道は2つになります。その大きく隔たれた2つの道へ、敵を誘導することにより、敵同士の連絡と攻撃力をも少しでも分断し、相手を少しでも
「まぁ、それまでにある程度時間保たねばなりませんので、
それだけ説明すると、フランツ教頭は何でもない様に魔法を解除し、壁はただの階段へと戻った。
「ここの
「学業の面では、ここは、2、3年生の生徒が主に使う階となります。2年に学年が上がりますと、一般教養科目の授業時間が減り、 製薬、占術、錬金術、魔法動物、魔法植物、魔法道具などのが必修科目に加わります。それにより主な魔法の基礎知識と経験を得ることが、出来るように配慮されております」
教頭のフランツの後ろを歩いて移動していると、『魔法動物学』と表示されている教室で、授業を受けているオリエラがいた。
その教室では、動物と人間が対をなし座るスペースがあり、教壇に立っている先生は、白のワイシャツ灰色のズボンを
授業を受けるているオリエラは、左手の大きな手袋はめて、その上には白と茶色のまだらで、頭にはネコの耳の様な羽毛が逆立っているふくろうを乗せている。
ふくろうは、ずっとオリエラに語り掛ける様に鳴くのだが、それにあせて「なんだろうね」、「うんうん、どうしてだろうね」と、彼女も呟きながらふくろうと話しているようだった。
「アッシュだ」
突然、ぬいぬい
「あのふくろうは、魔法動物学を専攻したやつに言わせると……」
「いちいち、なんで? なんで? って言ってらしい」
「何でも聞きたがり、それらを理解してしまうので、魔法学校の動物達の中でも賢く。だからなのか自分が気にくわない奴にはしたがわなかったり、威嚇したりするので、
ぬいぬいが、そう言い、腕組みをし見つめると、アッシュがこっちに向かって飛んでくる。
ヴァ――――ァァ! ヴァ――――ァ!
羽をめいいっぱい広げ、足の爪を広げガラス越しに何度も、威嚇をする。アッシュを追いかけてやって来た、オリエラがぬいぬいとアイッシュを見比べながら……。
「師匠、来てると思ったら、アッシュに何か言ったの? 」
「あぁ……すまん……そこまで聞こえるとは……」
生徒の視線が集まる中、先生もやって来て、扉を出入り口の扉に手をかけながら――。
「ぬいぬい君じゃないか……」
と、残念そうに呟く。
先生はまずアッシュのを袖に乗せると、何やら語り掛け、彼を落ち着かせるとオリエラにアッシュを預ける。
「ちょっと自習をしてて」
と、言って教室の扉を閉めてやってくる。
「ぬいぬい君」
「君には、在学中も言ったけど、心根は優しいのはわかるけど人間も、動物も第一印象は大事だよ」
「だから、うかつな事を言うのはよろしくない、わかったね」
「はい、先生……すみません」
「本当に君はいろいろな意味で、変わらないね」
彼は笑顔で、ぬいぬいの両肩をトントンと優しく叩く。
「久しぶりに会えてうれしかったよ」
「じゃ、授業があるので、これで」
と言ってすぐに教室に戻って行った。
そのまま僕らは、何も言わず歩き出しぬいぬいに、つづく形で移動したが……。僕は、振り返りもう一度教室を見た。
『魔法動物学』のと書かれていた表示の下に、トリトン スカイと、手書きで書かれた紙が貼ってある。
生徒をねぎらう為に肩を軽く叩く動作は、ぬいぬいがする動作に似ている様に様に思った。
その考えからするとぬいぬいが弟子たちに教える姿勢は、トリトン先生から引き継がれたもの様に思え、トリトン先生からぬいぬいへ、そしてもしかしたらオリエラや僕へと引き継がれるものかもしれない。
つづく
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異世界に住む、女の子を僕は好きになりました もち雪 @mochiyuki5
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