第4話 アメリカ側 ②

アリシア・ジョンソンはコートの端で深呼吸をしながら、ビデオ判定の結果を受け入れるように心を落ち着かせていた。スコアは11-10、日本リード。しかし、彼女の目にはまだ決して諦めないという強い決意が宿っていた。


「エミリー、次のサーブも重要だよ。リズムを取り戻すんだ。」アリシアがセッターのエミリー・スミスに声をかける。


エミリーは頷き、ボールを手に持った。彼女の表情には、冷静さと強い意志が混在していた。「次は絶対に決めるから。」


アメリカチームの選手たちは互いに目を合わせ、励ましの言葉を交わした。コートサイドではコーチが短い指示を出し、選手たちを鼓舞していた。アリシアはその言葉に耳を傾けながら、次のプレーに向けて気持ちを高めていった。


エミリーのサーブが放たれ、ボールは再び日本のコートへと飛んでいった。日本のリベロが素早く反応し、ボールを上げる。再び激しいラリーが始まる。


「ここが勝負どころだ!」アリシアは自分に言い聞かせ、スパイクの準備をした。ボールがアメリカ側に戻ると、エミリーの正確なトスが上がる。その瞬間、アリシアは全力で跳び上がった。


「これで決める!」彼女は心の中で叫び、強烈なスパイクを放った。ボールは鋭い角度で日本のコートに突き刺さり、得点を決めた。スコアは再び11-11の同点となった。


「ナイス、アリシア!」エミリーが駆け寄り、彼女をハイタッチで迎える。


アメリカのベンチも一斉に盛り上がり、選手たちは再び気持ちを引き締めた。試合はまだ終わっていない。アリシアは自分の心にそう言い聞かせ、次のプレーに向けて集中を高めた。

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