弐拾弐ワ『感情を持ったAIロボット』

博士「ついに完成だ!」


助手「やりましたね!博士」


博士「このAIロボットで私が天下を取る時代ときが来たのだ!」


  とある研究室で高笑いしている博士と

  その隣で涙を拭う助手がいた。

  天井の照明から何本も配線が伸びて

  いる。配線の先には手術台と思われる

  その上で体長140cm程の小型

  ロボットが寝ていた。

  そのロボットは人形ひとがたの子供の姿をして

  いて少女でも少年でもない中性的な

  容姿である。

  博士がロボットの首を少し持ち上げ、

  首の中央にある起動電源ボタンを

  長押した。

 『ピッ…キュイーン』機械独特の音が

  鳴り、次第にその音は静かに無音なる。

  ロボットの目が開き瞬きをしている。


博士「よし、では手始めに日本政府、その次に米国アメリカ、中国に仏国フランスと…」


  助手がどこから出したのか分から

  ない、ハリセンで博士の頭を殴る。

  博士は頭を摩っていた。


博士「痛いじゃないか。頭脳明晰の偉大な脳みそに衝撃を与えるで無いぞ!」


助手「その偉大な脳を持っている人が第3次世界大戦でも始める気ですか!?、やめて下さいよ!」


博士「そうか。駄目か😞じゃあ、規模を小さくして…世界中の電力会社でも攻めに行くか!」


助手「どうして!そうなる!!全人類を敵に回すどころか我々のライフラインも危うくなるんですよ?」


博士「え?そうなの?」


助手「そうですよ」


  助手は口には出さなかったが…


助手「(バカだ。本当にこの人は…。馬鹿と天才は紙一重と言うが…その両方持ってるんだよなぁ)」


  AIロボットがむくりと起き、


AIロボット「ワタシは要らない、なんですね」


  初めて言葉を喋ったロボットは涙では

  なく目からオイルをポタポタ垂らし

  研究所から飛び出してしまった。


博士「あ!アーノルド・シュワルツェネッガーさんの様なイイ腕をしたロボットが逃げてしまった〜!?大変だぁー!!」


助手「人じゃないだろ!?ロボッ…ってか今の名前!?それとも描写!?どっちだよ!イイ腕って何だよ。ゴリゴリの筋肉だよなぁあ」


  助手はツッコミを入れつつロボットを

  探し周る。

  街や近所の公園を探してもロボットの

  姿はなく、研究所から数km離れた

  河川敷の土手に来てみると人集りが

  出来ていた。


  土手には普段から散歩やランニングを

  する人々で行き通っている。

  イベントでもない限り人が集まる場所

  でもない。

  珍しく今日は老若男女問わずいる。

  少し見える位置まで近寄ってみると

  研究所から逃走したロボットが

  三角座りしていた。

  側から見れば全裸の子供が泣いて

  いれば誰もが心配する光景だ。

  その背後から白衣を持った老人が

  現れ、そっとロボットに白衣を着せ

  夕焼けが見える西の方角を指差し…

  叫んだ。


博士「ロケットランチャー発射!!」


  助手は凄まじいスピードで人集りを

  掻き分け激怒しどこから出したのか

  分からないハリセンでAIロボットと

  博士の頭を殴る。


助手「お前ら2人はぶぅばぁかぁかぁ〜〜!!」


  もし世界で第3次世界大戦が始まったら

  この2人が元凶である事いに間違いなさ

  そうだ思う助手であった。


  終

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