第4話 エンドレスなきガチャ

 10回分のガチャの結果。


【X級=金狼ジェイバ】

【X級=アキレウス】

【X級=ヘクトル】

【X級=宮本武蔵】

【X級=佐々木小次郎】

【B級=風力発電所】

【SS級=無限倉庫】

【G級=オーディン】

【A級=スキル書テイム】

【A級=スキル書鑑定】


「これはやばいですね」


 ジーバ執事長が玉に書いてある文字を見て呟いた。

 それもそうだろうX級ばかり、後見たこともないG級。


【神様です】


「はい?」


【だからG級は神そのものが入っています】


「なんだってええええええ」


 俺は大きな声を張り上げていた。


「と、取り合えず開けて行きましょう」


「だな」


【金狼ジェイバは異世界バラミアの大地にて銀狼ジェイバとタッグを組み狼軍団を設立した狂暴な野生児です。ですが主には忠誠を誓うでしょう】


 そこには金色の髪の毛を逆立てながら、四足歩行でこちらを見ている人間がいた。

 牙はするどく獣のような瞳をしている。


「ぐるぁああああ」


 と威嚇されたかと思うと。

 頭を下げてきた。

 そしてどことなく走り出したのであった。


「大丈夫なのか?」


【金狼ジェイバはこの荒野を見守ってくれるはずでしょう】


「次を頼む」


【アキレウスとヘクトルは地球と呼ばれる惑星の昔の英雄です。ギリシャの英雄でして、大きな戦争の後に死後地獄にてタルタロスとの戦争に明け暮れています。源義経とも知り合いでしょう】


 2人の偉丈夫の男性が立っていた。

 2人とも上半身裸でありながら、獰猛な動物の皮の鎧を装備しており。

 剣はサーベルに近い何かであったが。

 こちらを見てニヤリと笑い、頭を下げてきた。


「俺はアキレウスだ。アキレス腱が弱点だと教えてやろう、さて何をしたらいい」

「おい、アキレウス、俺はヘクトル、このアキレウスと殺し合った中だが今はそれは問題ではない、タルタロスの奴が気になるんだが」


「ヘクトル、今はそれは置いておこう」

「それもそうだな」


「採掘とか出来たりしますか」


「簡単な事だ」

「それなら任せろ」


 2人は魂に刻まれているかのように採掘場に向かって走り出した。


【宮本武蔵と佐々木小次郎は地球にて戦乱の時代に活躍した英雄です。2人は殺し合い、死後地獄にてタルタロスとの戦争に明け暮れています。アキレウス達とも知り合いでしょう】


 次に現れたのは、どことなく源義経との姿形に似ている2人であった。

 種族も似ているのか顔立ちが似ている。

 アキレウスとヘクトルとは大分違っているが。


 もちろんカイルとも全然違っている。

 2人は向かい合うと、次の瞬間会釈していた。


「この宮本武蔵、タルタロスを倒す前に佐々木小次郎とやりあってもいいだろうか」

「ふ、この佐々木小次郎を倒せると? でも思っているのか宮本」


 2人が視線でバチバチ言わせていると。


「伐採とか出来たりしますか?」


「ああ」

「出来るな」


 2人もまるで魂に刻まれたかのように走り出した。


 次に出てきたのは。


【オーディン、北欧神話での神であり、魔道の達人。雷撃を得意とし、辺りに電波なるもので支配し、連絡の中枢を担う事を得意とする、賢すぎる為、扱いには注意】


 しわくちゃな老人が目の前に立っている。

 だぶだぶのローブ姿をしており。

 髭は顎からだらりと流れている。

 呼吸音と一緒に振動している。


 片目には眼帯をしており。

 右手には杖が握られている。

 老人はこちらを優しい微笑み出迎えてくれると。

 次の瞬間には冷めた目になる。


 まるで台風のような人だと思った。いや神か。


「はてさて、何をしましょうかのう、わしは少し疲れておりましてなーあまり動きたくないのですよ」


【神の声として助言する。オーディンに連絡役を任せてみないか】


「連絡役って出来る?」


「ふむ、魔法もこの世界では使えるみたいじゃし、共感力を使えば、この辺り一面にいる生き物と意思疎通を交わす事が出来るだろう」


「それは凄い」


「ふぉふぉふぉ」


 そう言って、オーディンは空を浮遊すると、面倒くさそうに遥か雲の上にまで消えて行った。


 それを呆然と見守るカイルとジーバとリラメイド長であったのだが。

 気を取り直して。

 次の玉を開ける事にした。


 緑マップで風力発電所なるものを設置。

 この世界にはない道具であり、巨大でもあった。

 回転する仕組みで、風により電力を生み出すのだが、その電力がこの世界には存在しない。

 いわば雷という事だ。


 それはエネルギーになると神の声が教えてくれる。

 次に無限倉庫だが。

 次元の狭間経由でしまっておくと、無限倉庫から別な人が取り出す事が可能。

 はたまた無限倉庫に入れてから次元の狭間から取り出すことも可能。

 

 スキル書のテイムと鑑定をすぐに習得。


 テイムはモンスターや動物を使役する事が出来る。

 鑑定はジーバ執事長も持ってる通り相手の情報を探るときに便利だ。


 俺とジーバ執事長とリラメイド長は安堵の溜息をつくとほっとした。

 のもつかの間にノルマ達成の報告は相次いだ。


 この前達成したノルマのようなものを再び達成して。

 合計5回分のガチャを習得した。

 少し疲れたので、カイル達は談笑しながら休憩する事にした。

 

 現在のレベルは20だった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る