てんし

虚。

第1話 てんし

てんし


ぼくのいえには、てんしがいます。

まっしろで、てるてるぼうずみたいな、てんしです。

おとうさんも、おかあさんも、てんしさんのことを、むしします。

(ねえ、どうしてむしするの。)


さびしくなると、いつもぼくは、

てんしさんとたくさんあそびました。

てんしさんは、もうなんにも、しゃべれないけれど、

ぼくがはなしかけると、ぶらぶらゆれて、たのしそうです。


ぼくは、たいへんなことをしてしまいました。

てんしさんは、さわられるのがいやでした。

はじっこを、ちょっとつかんだら、

てんしさんは、おこってゆかにおちてしまいました。


てんしさんに、おくちができました。

まっかで、おおきなおくちです。

きがついたら、

てんしさんは、よにんになっていました。

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