『破局後の方が創作が捗る』第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部

@momomofufufu

離人の詰まった孤独な花に毎夜クリシェを重ねゆく


覚醒ののち欠伸に先んじ窓辺の開花を感じ取る


びょうとひとつの風に無為が散り徒が舞う自分が乱れるそれがあなただけの世界と言われた気がして


堂々と呪いを混ぜたラブレター見返すたび水が不味い


宛名の君恨み言のひとつでも言いに来い


どうしたって似る好きなところ筆致文調語彙のさまざまそれが呪縛


飛び出すと自分だけの陽炎が揺れる炎天下紙片を燃やすには至らぬ程度の


不足と充足の復活を夢見る足が思い出の地を練り歩く


生まれ変わりたくなかったとしみじみ思い緑陰の根元にevianを注ぐ


コンコース雑踏の中に無いピースが隣に存在してさみしい


逍遥のおとものイヤホンが恥知らずにキャッチなーメロディを流して思い出す君


捉えるもの凡そに跳梁する記憶おれをシーグラスにしようとでもいうのか


先に負けたのはおれ恋愛という常識人ごっこ


2022年ワールドカップ決勝多分おれだけ未だにPK戦を続けてる


目を閉じると鉄路からの振動が顕著だ君と居た東京での毎日みたいだ


衆の声誉なんか要らないたった一晩の「おいしい」が欲しい


ICYMI負けたおれのその後


我が家のはた咲く花の縁遠さこそ思い出すに足る


こんな世界にはもう居られない君と巡ったオープンワールド


出会った日みたいに空一面飴色に染まりまして幕

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