【完結】すごオチ〜日曜日に始まり、土曜日に完結する。全7話の短編シリーズです。よろしくお願いします。

第24話 真実の発見

ニューヨークの夜は静寂に包まれていた。ジュリアはジョンの病室の窓から街の明かりを見下ろしながら、彼の記憶に再び入り込む準備を整えていた。ジョンの手を握り、深呼吸をして意識を集中させると、再び彼の記憶の中へと引き込まれた。

ジュリアが次に見たのは、ジョンとリンダが不正の証拠を公表するために行動を起こしている場面だった。二人は慎重に計画を練り、メディアへのアプローチ方法を探っていた。リンダはジョンに向かって、「私たちはこれを公表しなければならないわ。でも、どうやって…」と悩んでいた。

ジョンは決意を込めて、「誰か信頼できるジャーナリストにこの情報を渡すしかない」と答えた。

ジュリアはその場面からリンダの強い意志と、ジョンの決意を感じ取った。しかし、記憶の中に不穏な気配が漂っているのを感じ取った。突然、二人の計画が何者かに漏れ、彼らが危険な目に遭う瞬間がフラッシュバックのように現れた。

次の記憶の断片では、ジョンとリンダが密かに会合を開き、証拠の隠し場所を決めている姿が映し出された。ジョンは言った。「これを確実に隠しておけば、たとえ僕たちが捕まっても、誰かがこの真実を明らかにできる」

リンダは頷き、「このUSBに全ての証拠が入っているわ。絶対に見つからないようにしなきゃ」と答えた。

ジュリアはそのUSBが今どこにあるのかを探るため、記憶の中でさらに深く掘り下げた。ジョンの記憶は次第に鮮明になり、彼がUSBを隠した場所が徐々に明らかになってきた。それは彼の大学時代に通っていた図書館の古い本の中だった。

突然、ジュリアの視界が暗転し、彼女は激しい頭痛と共に現実に引き戻された。彼女の額には冷や汗がにじんでいた。「エミリー…」ジュリアは辛そうに言った。「USBを探し出さなければならない」

エミリーは心配そうにジュリアを見つめ、「大丈夫ですか？無理をしないでください」と言った。

「大丈夫。これが兄さんを救う唯一の方法なの」とジュリアは決意を固め、再びジョンの記憶の中に戻る準備をした。

再び記憶の中に入り込んだジュリアは、ジョンがUSBを隠した瞬間を目撃した。彼は図書館の薄暗い一角で古い本を取り出し、その中にUSBを隠した。その後、彼はリンダと共に図書館を後にし、次の行動を計画していた。

ジュリアはその場所を確認し、ジョンの記憶の中でさらに重要な手がかりを探ることにした。彼女はジョンがどのようにして記憶を消されるに至ったのか、その経緯を追った。記憶の中で彼はリンダと共に逃亡生活を送り、インフィニティ・コーポレーションからの脅迫を受けていた。

次の瞬間、ジュリアはジョンが激しい追跡を受ける場面に遭遇した。彼らは車に乗り込み、ニューヨークの街を必死に逃げ回っていた。彼らを追う車の中には、企業の手先が乗っているのが見えた。その瞬間、ジュリアは強い恐怖を感じた。彼女はジョンの記憶を通じて、その恐怖が現実であったことを理解した。

「ジョン、しっかりして！」リンダの叫び声が響く。車は激しい衝突音を立てて止まり、ジュリアはジョンが気を失う瞬間を感じ取った。全てが暗転し、彼の記憶はここで途切れていた。

ジュリアは現実に引き戻され、激しい頭痛と共に目を覚ました。「ジョンが…何を見たのか、何を知っていたのか…それが重要だわ」と彼女はエミリーに伝えた。

エミリーはジュリアを支えながら、「兄は何を見たんですか？」と尋ねた。

「USBに全ての証拠がある。彼が図書館に隠したUSBを見つけることができれば、全てが明らかになるはずよ。でも、その前にリンダと連絡を取る必要がある。彼女が何を知っているのかを確認しなければ」とジュリアは答えた。

エミリーは頷き、「リンダさんを見つける手助けをします。彼女もきっと兄を助けたいと思っているはずです」と言った。

ジュリアはエミリーの協力を得て、リンダを見つけるための手がかりを探し始めた。彼女たちはリンダが最後に目撃された場所を調べ、彼女の居場所を特定するために全力を尽くした。

その夜、ジュリアは自宅でリンダの情報を集めながら、新たな計画を練り始めた。ジョンの記憶の中で見た断片を繋ぎ合わせ、次に何をするべきかを考えた。彼女の心には、ジョンを助けるための強い使命感と、インフィニティ・コーポレーションの不正を暴くための決意が宿っていた。

「待ってて、ジョン。必ずあなたを救い出すから」

ジュリアはその言葉を胸に刻み、新たな一歩を踏み出した。彼女の前には、まだ多くの謎が広がっていた。しかし、彼女は決して諦めることなく、ジョンの記憶の全てを解き明かす覚悟を持っていた。