『海神レシアに対する世評』

「先代海神?あー、あの何もしてくれなかったって噂の?…別に、好きとか嫌いとかないわね。印象にないって感じ」


「あいつを神と認めていたのが俺の人生最大の汚点だ。過去に戻れるなら、絶対にあいつをあの立場から引きずり降ろしてやるよ」


「母親のアクィラ様はとても優秀な女神だったってのに…なんで娘のあいつはあんな無能なのかね。…ま、しょーじきなんでもいいんだけど。今の神は歴代最優秀のシグナ様なんだから」


「レシア様?嫌いなわけないじゃないですか。あの方がいなかったら私、今生きていないんですよ…」


「ライラ様を狂わした悪人。死刑になって当然」


「幼すぎたし、常に考えが足りてないって印象だったな。それは他の国の神もそうなんだけど」


「大嫌い。何も守ってくれなかったから」


「共愛と狂愛だっけ。見事に解釈違いを起こしたよな。アクィラ様、自分を責めてるんじゃないか?」


「怠惰な神。あんな幼い状態で神にすべきじゃなかった」


「彼女に付けられた異名が何だか知っているか?”怠惰な継承者”だよ。ほんと、付けたやつもよく考えたもんだよな」


「他の国の神とは違って、禁忌を持つ理由が分かりやすいと思いました。だって彼女は、最期まで狂愛の神そのものでしたから」

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