7話「エピソードone」
次の日のことである。
「おはよ、
「おはよう‥り、
「え‥」
昨日、からかったとはいえまさか1日で名前を呼んでくるとは思ってなかった。
「それに少し恥ずい。」
「何が?」
言葉に出てしまうほど照れていた。
「いやでも嬉しいわ、名前で呼ばれるってなんかいい事だな〜」
「それなら良かった!」
「てか、俺もっと杏奈の事知りたいんだけど‥」
「そうだよね、私も知りたいと思ってたの!」
「なら良かったよ」
「じゃあさ!昼休み一緒にご飯食べない?」
「あ、良いけど?」
.
.
.
とは言ったものの‥
「まさか教室内で食うとは‥」
「嫌なの?」
「嫌って訳じゃないけどさ、周りの目とか〜」
「人のことは平気で下の名前で呼べるのに変な所でチキるのね〜」
「チキってねぇし〜」
「フフッ、本当面白い人。」
「何がだよ〜」
「てか、色々私の事知りたいんじゃないの?」
「あ、そうだった。」
「何でも答えるよ〜」
と言っても質問に困った。
「もしかして何も質問用意してないの?」
「い、いや〜」
「な〜んだ、じゃあ私から聞こうかな〜」
楽しく話してる中、圧というか視線を感じた。
「ブツブツ‥」
「ブツブツ‥」
そう、
まあ気にするほどでもないか。
「私の話聞いてる?」
「あ、ごめん‥」
「もう〜」
ぷくっとほっぺたを膨らませ、怒った顔も意外と可愛い。
「趣味とかあるの?」
「う〜ん、昔は音楽聴くのとかファッションとか色々あったけど最近は何もないな〜、ショート動画に流れてくる猫の動画見たりとかしか‥」
「へ〜今は、猫派なんだ〜」
「今?」
「い、今なんて言ってないよ!
何だか怪しいな‥
「てか俺はマジで無趣味、無個性のつまんない奴だぞ、得意な事とか好きな教科とかそういうのは全くないし。」
「そうなんだ〜これじゃ、ホッケが好きな猫派って事しかまだ分からないのね。」
「まあ俺も自分の事をそれぐらいの人間として認識してるからな‥」
「そっか!なんか思い出したら言ってね?」
話せば話すほど
「てか杏奈さ。」
「何?」
「その弁当美味そうだな。」
「なに?食べたいの?」
「いや、そういう訳じゃ‥」
「仕方ないな〜アーン?」
そうして杏奈は唐揚げをアーンしてきたのである。
「ちょ!やめませんか???」
「え、何でよ?」
「い、いや〜」
「私の手作り食べたくない訳?」
「え、手作りなの?じゃあ尚更食いたいわ。」
そう言って俺は自分の箸でさっきの唐揚げを食べた。
「美味いな‥こんな美味い飯毎日食いたいぐらいだよ。」
「そういう所だぞ‥」
そう言って杏奈は頬を赤らめた。
「い、いや〜さっきの仕返し‥的な?」
無意識にも一生、一緒に居てくれや的なノリの事を言ってしまい自分も恥ずかしくなった。
「
「いや、ちげぇよ‥」
「そういえば、今度の校外学習の班どうするの?」
「え、何それ?」
「あなたって人は本当呆れる‥」
「じょ、冗談だよ〜」
「じゃあ班決めはいつ?」
いや、知らないよ‥
「うーんと‥」
悩んでいると
聞こえないように口で次、次と言っているように見える
「来週か!」
「次の時間だよ?」
ですよね‥
俺はアホだ‥二年生になったらこんな地獄みたいな行事あるのかよ!言ってくれ‥
「冗談!冗談!」
「ま、どうせ誰も居ないんだから一緒の班になろ?」
「お、おう‥」
本当に新座杏奈という女の子はよく分からない人だ。
喜怒哀楽が激しく、学校では少し浮いてるような気がするが俺にはこんなにも心を許して話してくれるのはCCの力なのか‥
それとも彼女もお金を‥
.
.
.
「はい!てな訳で来月の校外学習の班決めやります!」
それよりも俺は悩みがあった。
仮に杏奈と組むとして他の人は誰にするべきかだった。
4人って事はいい感じに杏奈が友達を連れてきてくれて、俺は黙って当日まで置物のようにしてれば‥
「おーい、陸〜俺らと組むぞ〜」
「あぁ‥ってえ!!!」
そう薄々そんな気がしていた。
「
「そうそう!
「なぁ
そう小声で聞かれた。
「お前、杏奈と
「らしいけどよ、俺はどっちも悪には見えないから仲良くして欲しいのよ。」
「杏奈〜班決まったぞ。」
「え‥」
「は?‥」
そうして、校外学習の班は俺を含め
「じゃ決定〜」
「ちょっと!洋平!」
「喧嘩はなしな〜?」
この男何がしたいんだ‥
俺の校外学習はどうなるんだか‥
ー続くー
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