5話「ボーイミーツガール」
学校で
なんて事を思ってたら朝になっていた。
学校までは割と遠い、なぜなら俺は中学時代の奴らとは距離を置きたかったからだ。
「中学時代は女と話すなんて訳なかったのになぁ‥」
「あ、おはよーお兄ちゃん〜」
「おはよ、
妹と話すのだってこんなに簡単なのに‥
「なぁ、
「なに、いきなり〜学校の女子に話しかけられなくて困ってるの?〜」
相変わらず鋭いな‥
「い、いや友達の話なんだけど‥」
「お兄ちゃん友達いないでしょ。」
「あ〜はいはい、俺の話だよ」
「不貞腐れないの〜中学の頃はよく女の子家に連れ込んでたじゃん?」
「嫌な言い方しないでくれよ〜タコパとかするのにな!」
「まあお兄ちゃんって昔からできると思った事はできるタイプだからおもーい、おもーい腰をよっこらしょってあげればすぐなんじゃないの?」
「そんなもんかな?」
「そんなもんだよ〜だってお兄ちゃん先輩から聞く話によると結構モテてたみたいだし〜?」
中学の頃の俺‥
.
.
.
いやいや!そんな事思い出したくもない!!
「わかった、ありがと。」
「い〜え〜」
「じゃ、学校行ってくるわ!」
「は〜い」
もう昨日みたいな恥はさらさんぞ
頑張れ俺!!
「お兄ちゃん、何だか変わり始めてみたい、良かった。」
.
.
.
[おはようございます、
りょーからだった。
[おはよ、今日の俺頑張るから!まあ盗聴でも盗撮でもストーカーでもしときな!]
[なんとも心強い!昨日みたいにならないようにしてくださいね〜]
はいはい‥そう心の中でつぶやいた。
まあ学校まで時間あるし電車でイメトレしとくかな〜
「あら、おはよう。」
「おはよー」
そうそうこんな感じで
って!!
「本人!?!?」
そう、目の前に現れたのは
「ん?どうしたの?」
「いやいや‥」
いきなりの事でびっくりしてしまった。
「おはよー
「おはよう、
「いやさ、学校で話すの緊張するから電車内でイメトレしようと思ったら本人が出てきてビックリだよ‥」
「フフッ、
「いや、でも会えて嬉しいよ〜」
「え‥///」
「いやさ〜学校で話しかけるのって中々ハードル高いからこうやって電車内で話せるのが良かったなって!」
「あなたって人は‥」
あれ、何故か怒らせてしまったみたいだな。
「あれ、もしかしてなんかダメな事言いました?」
「どうでしょーね?まあ!言ってたとしても教えませんけどね〜」
「ええ〜そこを何とか‥」
「どうしよっかな〜」
久しぶりに人と話すのは意外と楽しいもんだ。
高校に入ってからの俺は人を遠ざけて遠ざけて一人でいる事をアイデンティティと思ってるかのように逃げ続けた。
「
「てかさ。」
「ん?」
「
「え?」
「いや、なんか距離感じちゃうのは俺だけ?なのかな?」
「どうなんだろう、私もあなたに誇れるほど友達が多い訳じゃないからな‥」
「俺も普通に
「変な所が積極的なのね‥」
「なんか言った?」
「べ、べつに?」
「だから改めてよろしくね、
「///」
なんだか頬を赤らめてるような気がした。
そんなこんなで話してるとあっという間に最寄駅だった。
「てか、杏奈って電車通勤なんだね?」
「そうだよ?」
「俺もずっと電車で通ってるけど気が付かなかったな〜中学どこだったの?」
「私は第一中だよ?」
「あ、そうなんだ!俺は第二だったんだけどさ、一中って事は
「り‥あなたって本当はぼっちじゃなかったでしょ?」
「い、いや〜」
「なんで学校では猫かぶってる訳?」
「う〜ん、猫かぶってるってより人付き合いに疲れちゃってさ、ただ何となく過ごせれば良いかな〜とか思ってさ。」
ごめん
本当は人と関わる事が怖かったんだ。
「そうなんだね、でも私はそんな、あなたもいいと思うけどな〜」
「まあ、昨日さ、杏奈と話して久々に下校時間に誰かと帰ったりしてなんかちょっと良いかなとか思っちゃった。」
これも半分嘘だ。
騙してるようだけど記憶も消えるんだし、お金のためなんだ。
まあ、この罪悪感も消えるんだろうけど‥
「私も昔から誰かと仲良くなりたいって思ってるんだけど、どうしても上手くいかなくて、それでずっと逃げてきたのね、でもさあのアプリのおかげなのかな〜こうやって人と話せるのが楽しみになっちゃった!」
CCは心に何かしらの傷を負った人じゃないとインストールされないという点からきっと彼女にも何かあるのかもしれないが今のところは全く見当がつかない。
そしてもう一つ‥
彼女はお金と恋、どちらを選んだんだろうか‥
ー続くー
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