第3話

 (う、眩しい。それに...暖かい)


 「って...え!?」


 生まれて初めて見るほど透き通って綺麗な青空。艶々とした葉がしげる木々。そして、見覚えのない景色。


 「どこよ、ここ」


 (私は死んだはずじゃ...)


 試しに頬をつねってみたけれど、ジーンとした痛みを感じた。

 体中を確認して見ると、なぜか真っ白な服に着替えているし、傷ひとつない、それどころか生前よりも健康な感じがする。


 何が起きているのか...

 考えられるのは一つ。


 「「これって異世界転生なのでは!?」」


 引きこもりだった私は、毎日ペット達の世話をして、余った時間はもふもふしながらゲームやアニメの世界に入り込んでいた。

 「あぁ、みんなと一緒なら異世界行ってみたいかも...」

 そんなことを言っていた時もあった。


 (そういえば、死に際に女の人が私のみんなともっと一緒にいたいって願いを叶えてあげましょう、みたいなこと言ってたし。)


 「ふふ。正解です」


 突然、頭の中で声が響いた。死に際に聞いたあの声。ふわふわとしていて、聞いていてなんだか心地いい。


 「お目覚めのようですね。そうです。あなたは異世界転生したのですよ。実はあなたを刺した人、隣の家に行く予定だったはずだったのですが、そのー...手違いで」


 ...


 (は?)


 「つまり私は手違いで殺されたってことですか!?それに、あの子たちはどうなったんですか!」


 「本当にごめんなさいね。あ、やべーと思った時にはもうブスッと。せめてもの償いとして、あなたとペットたちをこの異世界に転生させました。ペットたちは死んだのではなく、少し眠らせてこちらでも生きていける状態にして連れてきました」


 私は死ぬ前、もう少しペットたちと一緒にいたかったと願った。だからこんなわけもわからない世界に転生させられたのか。


 「そろそろケーキが焼けるので失礼します。それでは楽しんでくださいね♪」


 「え、ちょっと待っ...」


 電話が切れるような音がして、女の人の声は聞こえなくなった。


 これから私とペットたちの異世界生活が始まるわけだが...


 「私のペットたち、どこ?」


 


 


 

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