潤いや湿り気、有り余る雨など、水の踊るこの企画において本作は全くの対局を為す貴重な一作だと感じました。異常気象などにより毎年、世界各地で天災に苛まれる中、御作のような干ばつという極めて過酷な環境の提示があり、リアリティに富んだ描写に一気に引き込まれました。
裕也家族が本当に居た堪れず、絶命へと向かう心情が心苦しく、悲しい結末を覚悟していました。
最後は雨の恵に浴された展開に救われた心地です。
数ある雨の小説の中でも、特に印象的な作品でした。
素敵な小説をありがとうございました。
作者からの返信
刹那 さん
コメントありがとうございます!
雨に考えをめぐらせたとき、最近の異常気象をかんがみるに、この豊かな水の恩恵がなくなってしまうこともあるのではという問題意識から本作を執筆いたしました。
水害が多発している今現在ではなかなかイメージしにくい事態で、リアリティを持たせたく苦労しましたので、その点を評価して頂き、大変うれしいです。
また、数ある作品の中で特に印象に残るものと評価いただき感激です。
お読みいただきありがとうございました!
馬村 ありん様の描かれる人間模様は、どれも繊細で、生々しくて、臨場感があって、素晴らしいと思います。
いつか本当にこんな未来がくるのではないか。
いや、むしろ、世界のどこかではすでにこんなことが起きているのではないか。
そんな錯覚を容易く引き起こす筆力です。
「檸檬」のような余韻の残るお話も素敵でしたが、本作のような希望に満ちた結末も好きです。
皆、救われて良かった……。
作者からの返信
@kumehara さん
コメントありがとうございます!
身に余るほどの好評価いただき、本当にうれしいです✨️。ああでもない、こうでもないと散々文章をこねくり回した甲斐がありました。
最近気候変動で予想できないことが起こっているので、こういうこともあったりするのではと思い書いてみました。
どんな状況でもサバイブできる精神がほしいというのは自分自身の願いでもあり、こういった結末になりました。気に入っていただけて光栄です。
主人公と妻のやり取りから絶望に立たされた人たちの苦悩や悲壮が伝わってきて、読むのが苦しくなるほどでした。
心理描写が本当にすごい!
『檸檬』と違ってラストは希望が持てるお話で、それもまた一味違った感じで素晴らしかったです。
『渇き』と言うタイトルも秀逸!
作者からの返信
@zawa-ryu さん
コメントありがとうございます!
心理描写をほめていただきうれしいです! 苦境に立たされたキャラクターたちに同調すべく、頑張りました。
『檸檬』を覚えてくださってありがとうございます。『檸檬』の路線を引き継いで、この先有り得そうな話を考えてみました(最近あまりに暑いので💦)。
タイトルは同名の映画があるので悩みましたが、シンプルでいいのでコレにしました。
一家心中で、梁に縄を結び、流星くんの首に手をかけたシーンでは静まってしまいました。
旱魃に苦しむ、田舎の農村のありようがよく描かれています。
この間書かれた、煤煙公害のお話を思い出しました。
いずれも過酷な未来の中にありながら、ほんのわずかな希望をよすがに生きていく人達のお話ですね。
ペンギンのお話も明るくて楽しかったですが、光と影、両方書けるのはすごいことです。
作者からの返信
ホーリースロース さん
コメントありがとうございます!
現代に旱魃がおきたら、こうなるのではというのを考えてみました。自殺に向かうシーンは緊張感が出せるよう頑張りましたのでうれしいです。
最近サバイブすることに熱烈な関心があるようです、私の無意識。なぜかこういうテーマを選んでしまいます。
自主企画のテーマによく応募しているのですが、そこで色々とアイデアをひねり出しているうちに、自分の書ける話の幅が広がっていった気がして、手応えを感じています。
この度はさいかわ水無月賞にご参加いただき、ありがとうございました。
作者からの返信
こちらこそ参加させていただき、ありがとうございました。
楽しかったです✨️