三重県日報
藤田聖喜
三重県日報
県民のしずかな減りにともなって5人に1人は都市伝説です
そっとゆるしあっている 過疎化した門前町と津観音と私
イロワケイルカの前で恋人つなぎがきっぱりと正午を歩いている
もつれあってかなしくなったウツボたち そぞろに戻すカサゴ飼育員
オットセイ 重たいお尻が上がるまで、喝采しつつお待ちください
赤ちゃんが生まれましたと町内にクチナシ活ける忍者の末裔
熊野灘沿いでみかんになったり 直売所で体育座りしたりしました
通学路に手を振りたくて振れなくて五十鈴川は鳥居をくぐる
伊勢湾で引き揚げられたタチウオはご家庭の水道から還してください
ええやんかええやんか日没のパールロードで牡蠣になっても
四日市駅がさみしさ噛み締めて背筋のばして人々を返却する
シロサギが飛ぶ ふくらはぎが壊れたら帰れやん。と歌いながら
夕立におかされるたび揖斐川は沸き立つようにさざなみをした
秘宝館あと地で伊勢海老交尾ショー催されている、とのうわさ
二次会が5世紀続いているらしい 伊勢の老舗の奥の一間で
あれ以来「ええじゃないか」のステップで今は国道北上中です
目の前でわずかに灯る居酒屋を愛しています駅はおのおの
いかがでしょう
三重県日報 藤田聖喜 @Fujita-Seki
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