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圭太が気づくと、見知らぬ部屋にいた。
学校の教室くらいの広さがある。
近くには里奈、詩織、亜美の姿がある。
そして、他にも人の気配。
見知らぬ10人以上の男たちが圭太たちを取り囲んでいた。
「皆の者! 召喚に成功したぞ!」
「おお」「やりましたな」「さすがは殿下」
「しかも、見てみろ! 異世界人が4人! それも3人が女だ!」
「まことに」「殿下は女神に愛されている」「いやはや」
男たちは華美な服を着ていた。
まるで演劇の舞台衣装のような。
世界史の教科書にのっている古い貴族のような。
一番豪華な服の男が愉快げに哄笑する。
「ほうほう! なかなかに美しい娘ばかり! 余が褥でたっぷり可愛がってやろう! 今から啼かせて孕ませるのが楽しみだ!」
男は里奈たちにいやらしげな視線を向ける。
ニヤニヤと口を歪める。
圭太はそれを見て危機感を覚え、惚けていた頭を働かせる。
サブカル好きの圭太にとって、今の状況はおなじみの展開だ。
間違いない、異世界に召喚されたんだ。
召喚したのはアイツらだろう。
もし、このままアイツらに捕まったら、里奈たちは奴隷のように扱われ、うーすい本みたいに嬲りものにされるだろう。
サイアクだ!
里奈たちは俺の女なんだぞ!
部屋には出口と思われる扉がひとつだけ。
強引に突破するか? いや、もし失敗したら――圭太が決断できずに焦っていた時だった。
「そこまでだ!」
扉が蹴破られた。
鎧を身につけた騎士が中に飛び込んでくる。
後ろには同じ格好の騎士たちが何人も見える。
「私は王国騎士団のソルトである! 第二王子殿下、異世界人召喚は禁術のはず! 禁術取締法違反の現行犯で殿下を捕縛する!」
「ソルトぉ! 平民のくせして王子である余を犯罪者扱いするか! 不敬だぞ!」
「捕縛命令は国王陛下の命だ! 申し開きがあるのなら、陛下の御前にしてするのがよろしかろう!」
「くそぉっ」
「お前たち、殿下を捕縛しろ! ただし、異世界人と思われる4人の身の安全が最優先だ! かかれ!」
「「「はっ!」」」
呼応した騎士たちが部屋になだれ込んでくる。
10人以上いた男たちは一瞬で捕縛された。
その間、圭太たちは数人の騎士たちによって守られている。
騎士が声をかけてくる。
「あなた方は異世界人の方々ということでいいだろうか。申し訳ないが、事情聴取のため、あなた方には王城に来てもらいたい。安心してほしい。あなた方は今回の件の被害者だ。誓って無体な真似はしないと約束しよう」
そう言って部屋の外に出るよう、うながしてくる。
そこで圭太は――
+++++++
(選択肢)
1.まっさきに出る
2.最後に出る
=>「1」を選択
+++++++
「まっさきに出る」ことにした。
一刻も早くこんな場所からオサラバしたかった。
だって、さっきの男たちは確かに捕縛されたが、いまだ反抗的に怒鳴り散らしているんだ。
暴言が聞こえるたびに、体がぴくってなる。
騎士の人、早く俺を外につれてって!
圭太は平和な日本のモブ高校生にすぎないのだ。
+++++++
(リザルト)
・市村亜美の好感度が下がりました。
+++++++
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