23、釣り

 遠くから見た池は鏡みたいになっていたけど、近づいたら当然池の中が見える。悠々と泳ぐ魚たちがいて、貝のようなものもいるみたいだ。食べられる魚ってどれくらいいるんだろうな。

「おいてけー」

「うわっ」

 突然池の中から顔が現れて、びっくりしてひっくり返りそうになった。

 顔はそのまま浮かび上がってきて、カガミちゃんの姿になると楽しそうに笑い始めた。

「ころー、びっくり顔おもしろいねー」

「か、カガミちゃん、釣りは眺めてなくていいの?」

「カガミは釣りを眺める必要はないのです。最後に置いてってもらうのがしごと!」

「それはそう、かぁ」

 二人がいる場所を見ると、花子ちゃんが釣竿をぶんと振り上げているところだった。魚が一匹くっついていて、まるで空飛ぶ魚だ。

「順調そうだ」

「じゅんちょーだ!」

 カガミちゃんの顔は期待に輝いている。久しぶりのごちそうだものね。

「えっとそれでカガミちゃん、ぼくと一緒にこの辺見て回る?」

「見て回ります!なんか変なのないか、じゅんかいです!」

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