第5話

 貝殻を拾うために訪れた海辺は穏やかでとても清々しかった。砂浜には色とりどりの貝殻が落ちている。篤は着ているヤシの木柄のアロハシャツがよく似合っている

「ここはこのビーチの中でも特に貝殻が多く打上げられるからよく拾いにくるんだ」

「へぇ~そうなんだ」

「気に入った貝殻があったら持って帰って大丈夫だぞ」

「うん」

「そうだ、これ知っているか?」

篤は自分の左耳に貝殻をそっと当てた

「こうすると波みたいな音が聞こえるんだよ」

「どれどれ〜」

由香は篤が耳に当てている貝殻に右耳を密着させた

「聞こえな〜い」

篤は思わず赤面する

「お前な・・・」

「ごめんごめん、冗談だよ」

由香は拾った貝殻を耳に当てた

「本当だ聞こえるね」

「だろ?貝の声だよ。よし、貝殻集めだ」

「うん」

それから二人は協力してたくさんの貝殻を集めた

「こんなもんかな。結構集まったな」

「頑張ったね」

「俺はこの貝殻をコレクション用にする。由香はどうする?」

「そうだな〜」

由香は迷った末に純白の貝殻を持って帰ることにした

「これにする」

「それじゃあ帰るとするか」

「うん」

そして夏祭り当日を迎えた





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る