第2話
翌日。朝食を食べ終わった由香は島を散策することにした。島に来るのは初めてで、高くそびえ立つ灯台や軒先に飾られた、島の特産である
「お客さんですか? まだ始まったばかりなので良かったら一緒にどうですか?」
「良いんですか?」
「もちろん」
箱には色とりどりの貝殻が入っている
「では、貝殻を7個選んでください」
由香は迷った末に気に入った貝殻を7個選んだ
「次にこの紙粘土で作った貯金箱に貝を貼り付けていきます」
紙粘土でできた貯金箱は素材を活かすように純白だった
「スチール缶やアルミ缶じゃないんですか?」
「せっかくなので貯金箱は私が手作りしています」
「すごいですね」
木工用ボンドで貝を貼り付けていく
「この島には母の都合で来ているんです。初めてだから新鮮で」
「そうなんですね。たこ焼きとか好きですか?」
「好きです」
「私も好きで。特にこの島のたこ焼きは美味しいですよ」
「たこ焼き良いですよね。今度食べてみます」
「ぜひ」
そんな話をしているうちに貯金箱が完成した
「うまくできましたね」
「ありがとうございます」
「では、持って帰って頂いて結構ですよ」
店員さんは急にあることを思い出した
「明日、近くの学校の体育館でドッチボールをやるんですが、一緒にどうですか?」
「やりたいです」
「では、一緒にやりましょう」
それから由香は店員さんにあいさつをして工房を後にした。
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