貝の声

女神なウサギ

第1話 

 巻き貝。それは海水浴シーズンになると誰でも目にする貝だ。この貝たちには耳に当てると波のような音が聞こえる特徴がある。私は今でも貝を耳に当てるとあの島の記憶が蘇る


 高校2年生の夏休み。夏美由香なつみゆかは母の実家がある島を訪れた。小さな島で車の交通量も少ないので普段の生活と比べると静かだった。

船を降りて母の案内で実家へ向う

実家に着くと親戚の石田さんがなかで父と話していた。

「そんなわけで今年の祭りはまた昔みたいに盛り上がるぞ。おっ、由香ちゃんじゃないか」

石田さんに笑顔で挨拶する

「石田さん、お久しぶりです」

「久しぶりと言っても3ヶ月ぶりじゃないか」

「そうでしたね」

「由香、今日はもう遅いから、ご飯準備する間にお風呂入っちゃいなさい」

母に促されお風呂に向う。浴槽は暖かくお湯が溜まっていた。体を洗って湯船に浸かると疲れが引いていった

「夏休み、楽しもう」

小声でそう呟いて鼻まで湯船に沈んでいった





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