第23話 探偵にバレた日

 ◇探偵事務所


「ランランランラン〜」と、扉の外から鼻歌が聞こえてくる。


 あいつ...随分能天気だな...。


 すると、「ドーン!!」と言いながら扉を開ける。


「...朝から元気な奴だな」


「あら?王子は元気なさそうですねー?もしかして徹夜してましたー?」


「...能天気なお前とは違って...こっちは必死にやってんだよ」


「いやいやwこっちも必死にやってますよー?そのおかげで、見つけちゃいましたから」


「...何を?」


「決まってるじゃないですかー?菅原玲です」


「...本気で言ってんのか?」


「じょーだんでいうわけないじゃないですかー?ちゃんと会ってきましたシー、タイミング合えばいつでも会えますよ?」


「...様子はどうだった?」


「んー?元気そうでしたけど?けど、何かを隠してそうではありましたけどねー」


「...そっか。とりあえず会いに行くぞ」


「どうするつもりですか?会ったら」


「とりあえず話を聞かないと始まらんだろーな」


「んじゃ、早速行きまっしょっか」


 そうして、俺と助手はある商店に向かうのだった。



 ◇


 いつものように店内の在庫を調べていると、二人のお客さんが入ってくる。


 一人は黒いスーツで、一人はいかにも探偵といった感じの服装...。


「あっ、居た居た!ほら、あの子が菅原ちゃんだよ!」


 すぐにそれがあの探偵であるのだということを悟る。

女性のほうは...確か昨日来ていた人...だよね?

私に名前を聞いてきたのはそういうことか...。


「...あの...私を連れ戻しにきたんですか?」


「まぁ、親御さんからはそうやって言われてるね。けど、俺はそれを見定めにきたから。君を返すべきなのかどうかをね。とりあえず、いろいろ話を聞かせてもらいたいんだけど?」


「...仕事終わりでいいですか?」


「もちろん。また来るよ」


 こっそりと圭さんに連絡を入れる。

『探偵のバイト先に来ちゃいました』


 すると、『すぐに行く』と連絡が来た。


「...もしかして言っていた探偵の人かい?」と、深山おじいちゃんに心配される。


「...はい、大丈夫です」


 そうして、1時間ほどで早退してきた圭さんが急いでお店に入ってくる。


「大丈夫か!?探偵は!?」


「あっ、えっと...仕事終わりにって話になってます」


「そっか...。じゃあ、俺も待ってるね」


「...もしかして、君が玲ちゃんを匿ってくれている人...かな?」


「あぁ、はい。...玲がお世話になってます」


「そっか...。ごめんね、何もしてあげられなくて」


「そんな...すごく助かってますよ」


「...ううん、私なんて...」


 そうして、退勤時間が近づいてくると二人の男女が現れるのだった。


「...そろそろいいかな?って、もしかしてあなたが...」


 そうして、4人であるカフェに向かうのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る