第5話 性癖を見られる

 ◇5月15日 日曜日 AM6:45


 ...いきなりキスをしてしまった。と、今更ながら頭を抱える。


 いやいや、それどころか女子大生を家に泊めてしまった...。


 いや、成人してるし?そもそもDVを受けている女の子に帰れとか言えない...言えないけどさ!いいのか!俺!?


 すると、隣で寝ていた玲ちゃんが起き上がる。


【挿絵】

https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093079441649181


「...朝強いんですね」


「...う、うん。まぁ...強い方かな?」


「...あの、朝のチューしたいです」と、どんどん近づいてくる。


「い、いや!ちょっと待って!その...歯磨いてないから!朝は...」


「...私、口臭いですか?」


「違う違う!俺の方があれだから!と、とりあえず歯磨いてくるね!」と、その場を後にする。


 まずいよまずいよ...。

あの子すごい...積極的だよ。

なんで?俺みたいなおっさんのどこがいいの?


 てか、そもそも...俺はあの子が好きなのか?

彼女をNTRれて寂しいから...そばにいて欲しいだけなんじゃないか...?などを考えていると、後ろから抱きつかれる。


「ぬぉっ!?」


「えへへ...あったかいです」と、俺の背中に頭を擦り付ける。


 可愛い、可愛すぎるよ...。

こんな子をDVするとかイカれてるよ。


「...あの...その...む、胸が当たってるんだけど...」


「当ててるんです。男性はそういうのが好きってネットで見たことあります」


 正解!!だけど...勘弁してくれよぉ...。

息子が元気になっちゃうヨォ...。


「...引きました?こういう積極的な女の子...嫌いですか?」


「そ、そんなことないよ?う、嬉しい...けど」


「けど?」


「...いや、俺みたいなおっさんが...その...玲ちゃんの隣にいていいのかなとか...改めて思っちゃって...」


「...やっぱり、嫌になりましたか?こんな重い女」


「そ、そんなことないよ?ないけど...。俺も怖いんだよ...。ちょっとだけ...。また...違う人のところに行っちゃったりしないかなって...」


 すると、バッと体から離れると携帯を持ってくる。


 そして、そのまま俺に渡してくる。


「え?何?」


「好きなだけ見てください。私の携帯。他の男の連絡先とかそんなのないですし...GPSのアプリを入れたらそういう不安もなくなるかなと...」


「...いやいや、そ、そこまではしなくていいけど」


「でも...それじゃあどうやって信用して貰えばいいか分からないです。...私はただ...信じて欲しいので」


「...ごめん。疑うようなこと言って。玲ちゃんは玲ちゃんだもんね。ごめん」


「謝らないでください。私の隣にいてくれるって、その言葉だけで満足できない私が...ダメなんです。私は支えたいです。圭さんのこと」


「...ありがとう。嬉しいよ」


「...あの、圭さんの携帯も見せてくれますか?」


「え!?いや、そ、それは...」


「...やましいこととかあるんですか?」


「やましいことはないけど!...やましい写真とかはあるかな...」


「...そういうのはあんまり見てほしくないです。して欲しいことがあれば私が何でもしますから」


「いやいや、でも...元カノの写真とかもあるし...」


「それは消しましょう。圭さんが消すのは辛いと思いますから私がやります。連絡先も消しますから」


「ほ、本当に...引かない?嫌いにならない?」


「...私は圭さんがどういう性癖を持っていてもそれを受け止める覚悟があります。なので、安心してください」


 ...と、少し渋々携帯を手渡す。


 そのまま俺は歯を磨き終わるとすぐにベッドにダイブする。


 自分が保存していたあんな画像やあんな写真も全部見られる...のか!?と、死にそうになりながらも1時間すると、ベッドに入り込んでくる玲ちゃん。


「ちょっ!?」


「...ちゃんと消しました。元カノの写真とか連絡先とか。他にも女性の名前がいくつかありましたけど、会社の方っぽかったのでそれはスルーしました」


「う、うん。それ消されたら俺すごく困る」


「...それと...色々と見ました」


「...ごめん」


「謝らないでください。ああいうのがすきなんですね...。その...私も比較的幼い見た目をしてると言われてますし、希望があれば...ランドセルとか...持ってきますよ」


 し、しにてぇ!!


 そう、俺は生粋のロリコンなのである。

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