第3話 告白
GPSを頼りに到着する。
なかなかに立派なフランス料理店。
そのまま中に入るとご立派なスーツを着た人が出迎えてくれる。
「...あの、予約していた本庄です」
「本庄様ですね。お待たせしておりました」
席に座るとすでに注文は完了していたため、去っていく店員さん。
「...えへへ...すごい緊張します...」と、可愛く照れる菅原ちゃん。
「...喜んでくれて嬉しいな」と、なんとか笑い返しながらプレゼントを手渡す。
「...これ、何ですか?」
「えっと、本当は彼女の誕生日プレゼントとして準備してたんだけど...。ほら、俺男だしこういうのは使わないから...」
「い、いえ!それはもらえないです!ご飯までご馳走になってそんなそんな...」
「いや、これがあると見るたびに未練が出てきそうだしね。捨てるくらいなら使って欲しいかなって...。ブランドのバックだから、使えると思うから」
「でも...」
「お願い」
「...分かりました。でも、そ、その代わりに私も今度プレゼントお渡ししますから...」
「...うん。分かったよ」
そうして、料理が運ばれてくると「美味しそうですね!」と、楽しそうに笑う彼女。
「...うん。そうだね」
「はい!...圭さんは何が好きですか?あっ、前にハンバーグ作ってるの見ました!ハンバーグ好きなんですね!」
「...うん。ハンバーグ好きかな」
どうやっても不自然にしか笑えない俺。
なんだか情けないな...。なんか...。
「...菅原ちゃんは...料理とか得意?」
「はい!こう見えて結構出来るんですよ!ハンバーグも得意です!」と、一生懸命アピールしている。
「...そっか。今度、食べてみたいな」
「はい!分かりました!任せてください!」
そのまま2人で料理を食べた。
けど、どんな味がしたかも今ではもうわからない。
そうして、ご飯を食べ終わるとそのまま解散の流れになる...かと思いきや、「あの...もう少し一緒にいてもいいですか?」と言われてなんやかんやあり、家に招き入れてしまうのだった。
知らない女の子を家にあげるのは...大丈夫なのだろうか?
けど、まあ...危ない女の子だとも思えないしな。
「ちょっと汚いかもだけど許してね」
「...はい」
そうして、家に上げると緊張しているのか黙り込んでしまう女の子。
「...大丈夫?」
「...えっと...その...私...その...」
「ん?何?」
モジモジしながら彼女はこういうのだった。
「私...」と、服を脱ぎ始める女の子。
え!?なに!?何かの状況!?嘘でしょ!!!!
しかし、その彼女の姿に俺は黙り込んでしまった。
そこには無数のアザのある体があった。
「...」
「...ちょっと...」
「...DV受けてるんです」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。