#2 【ダンジョン配信】鹿は斯く狩る!【葛城ダンジョン】
【配信枠が作成されました】
〈1こめ〉
〈たいきー〉
〈wktk〉
[11時から配信始まりますのでそれまでお待ちください!]
〈優里ちゃんさんがつ〉
〈ついに来るのか…鹿による人類超越の挑戦が…〉
〈なんかすごそう〉
〈葛城ダンジョン情報載せとくわ。とりま階層は140まであるのがボーリング調査で確認済み。んで持って山岳ダンジョン特有の獣系、岩系モンスターに加えて川系もくるっていうね〉
〈解説ニキありがてぇ〉
〈当然の如く日本有数の未踏破ダンジョンを初配信に選んでいくこのスタイルよ〉
〈地元な上に仲間の仇なんでしょ?そりゃ潰すまでここに潜るんじゃない?〉
〈となると相当かかるな…〉
〈俺は付き合うぜ。TS雄鹿のダンジョン配信とか逃したら一生見られねぇ〉
〈私も着いていきますよ〉
〈俺を忘れられちゃあ困る〉
〈↑誰だし〉
【50,000JPY〈俺だ(キリッ)〉】
〈石油王だった〉
〈自己紹介代50000は草〉
「んー?」
〈ヴェッ〉
〈あーかわいい〉
〈一人やられた!衛生兵ー!〉
〈はい神〉
〈恒 例 行 事〉
『さぁ!いきなりのガチ恋距離から盛り上がってまいりましたぁ!第二回【鹿は斯く狩る!】のお時間です!実況は私左右中、解説は叶、編集は優里でお届けいたします!』
〈ktkr〉
〈なんか心拍数上がる〉
〈鹿ちゃそのかわいさ×中さんの実況=心筋梗塞リーチ〉
〈なぜ心筋梗塞()〉
{はーい、では今回の配信について説明するよ!視点は2台、日鹿ちゃんの掛けてるスマートグラスに搭載された高精細カメラと、ダン研で開発したダンジョン配信用機動撮影機材、いわゆる三人称視点ドローンの新型、AMOE5.0からお届けするよー}
〈アモイちゃんhshs〉
〈ドローンオタク垂涎の的〉
〈流石に後援にダン研いるだけのことはある〉
「ちなみにスマートグラスの方は愛護会が用意してくれたぜ」
〈愛護会なんかい!〉
〈コーラ返せ〉
〈奈良の鹿愛護会、某有名電子機器メーカーが支援してるから…〉
〈そういやそうだった〉
〈文科省は何を用意しているのかな?()〉
〈↑俺らの更生の機会〉
〈間違いない〉
〈日鹿ちゃん見てると心が清くなるらしい〉
「これがあるから今日からはコメント見れるぜ……気にくわねぇやつは容赦なく晒しあげて行くからよろしく」
〈ま?〉
〈いっえーい日鹿ちゃんみってる〜?〉
〈鹿ちゃんのおしりぺろぺろしたい〉
〈その無い胸に埋まりてぇ〉
〈いきなりセクハラを始めるこの民度よ〉
〈うーんこの〉
〈うんこといえば鹿ちゃんのまん丸うんちはどうなったんやろ、人間ぽくなったのかな?〉
〈どこにうんこ要素あってん()〉
「糞は丸いままだぞ」
〈初めてのコメ返しがそれでいいのか鹿ちゃん〉
〈前回も一応やってたからセーフ〉
〈いとおかし〉
『日鹿さん!早速攻略やっていきましょー!』
「あいよ!今1層にいるぜ〜。こっから152層まで攻略するのが今回の目標」
〈152…?〉
{日鹿ちゃんの野生の勘によればこの葛城ダンジョンは152層まであるらしい…}
〈野 生 の 勘〉
〈普通に常識を塗り変えていくぅ〉
『いきなりの全階層踏破宣言ですね!これは期待が高まります!』
[1層~]
〈wktk〉
「すんすん…」
〈幼女のスンスンASMRとかま?〉
〈鹿って鼻良いの?〉
{日鹿ちゃんは視覚、嗅覚、味覚、触覚は人間の2倍程度、聴覚は5倍程度だね。視力は2.3だよ}
〈わーお〉
〈しかたんhshs〉
「居るな、ゴーレムだろう」
〈分かるんかい〉
〈ゴーレムってこんな低階層に居るもんなの?〉
〈ggrks。葛城ダンジョンは山岳ダンジョンだから岩系モンスターの下級に相当するミニゴーレムなら一層から出るわ〉
〈ツンデレ解説ニキさんがつ〉
〈ツンデレちゃうわ!〉
『なんかコメント欄が微笑まになってますが、現場には緊張が走りますっ!』
〈初戦闘〉
〈そもそもコンバットスタイルが分からん〉
〈目立った武器は無いから、魔法師か闘士と言うのが分析屋の見解〉
〈ここでぐだると視聴者離れるからな…〉
『さあ、駆けだした鹿娘。手ぶらにそのスカートの裾を揺らしながら、木々の合間を縫っていきます!』
〈この鹿、はやいっ〉
{鹿ちゃんの体力測定の結果から引用すれば、400m走8秒22だね}
〈え、世界記録より早いぢゃん()〉
〈【悲報】人類越えられる〉
〈チーターには敵わんからセーフ〉
{ちなみに鹿は草食動物だから長距離走向きだよ。日鹿ちゃんもシャトルラン622回だったし}
〈やべぇ、凄さが良く分かんねぇ〉
〈数 字 の 暴 力〉
〈おかしいよ~〉
『さて、木々の中から浮かんできた輪郭。ごつごつと隆起した岩の塊、声明を持ったそれの前に、日鹿は対峙して仁王立ちします!』
〈決戦の様相〉
〈ゴクリ…〉
〈緊張して来た〉
〈ぺろぺろ〉
〈↑通報〉
〈お前ら変わんねぇな〉
「ぶっとべ!」
『さぁ、ゴーレムが見つめている間に右手で正拳突きをぶちかますぅ!』
〈うっわすげえ粉塵〉
〈っぱ闘士か〉
〈えぐ〉
〈あのおててから繰り出していい威力じゃねえ〉
〈ゴーレムそこ代われ〉
〈自殺志願者やめれ〉
「…柔かったな」
〈は?〉
〈……え、ま?〉
〈一☆撃〉
〈うせやん〉
〈はぁぁぁあああああ???〉
〈いや、草〉
〈草じゃないが〉
〈え、ん?〉
〈現実か定まらん〉
〈攻略勢わい、絶句〉
【50,000JPY〈さす鹿〉】
〈いやーこれは期待大〉
〈すげぇよ!〉
『そこに残るのは砕けた石ころばかり。その中にただ一人立ち尽くす一匹の牡鹿。その姿は、まさしく戦場に舞い降りし女神!』
「牡鹿の女神ってなんだよ」
〈www〉
〈雰囲気台無し〉
〈中さんも実況力落ちたな()〉
〈昔の中さんなら比喩表現もっとうまかった〉
『なんか私すごいディスられてる!?傷つきます!』
【10,000JPY〈〉】
〈無言www〉
〈乙〉
〈がんばれ~〉
「取り敢えず、一階層はこの感じで行くぞ~」
〈まじか〉
〈瞬殺?〉
〈わ、わぁ〉
〈カウント:17体目〉
〈うせやん〉
〈未だに信じられん。編集じゃないの?〉
[CGはないですよ~、画像補正しかかかってません]
『今回も一撃ですねー、実況としては驚きが無くてあまり面白味が無かったりします』
〈中さんwww〉
〈鹿ちゃんがんばって取れ高を…〉
〈流石にボス戦なら…ね?〉
「あ、とかげ」
〈あの、どうみても小型恐竜()〉
〈トリサプトゥスじゃん〉
『三つの棘を背中に持つ、人間の倍近い大きさの爬虫類系モンスター、トリサプトゥスです!』
{尻尾のハンマーと強力な噛み付きが武器の――}
「どぅおっらぁ!」
〈……え?〉
〈うーん、ん?〉
{………}
〈見どころさんどこ?ここ?〉
『しゅ、瞬殺ですっ、圧倒的な剛腕でぶち込んでいったぁ!』
〈わ、わぁ〉
〈なんかすげえより怖え〉
「んじゃ、ボス部屋まで行くぞ~!」
鹿は斯く狩る! 鹿 @HerrHirsch
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