Side 警官の読み
「なんであの人だとわかったんですか?」僕は気づけば自分よりも歳をとっていて背が高い、白髪混じりの男に聞く。「同じ匂いがした。虐待。子は親を選べない。だからこそだ。」古き良き古民家をリノベーションしたカフェ。椅子に座った、二人の刑事は話していた。ここのコーヒーは美味しいんだ。とこの白髪混じりの男はスズッとコーヒーをすする。
僕も一口飲んでみる。香りはとてもフルーティでまるでコーヒーの苦みを感じさせない。飲んでみると酸味が強い。その中にある、深み。香りからも感じられた、フルーティな味わいは次々と口に運びたくさせる。僕の名前は宮原奏人。ここの都内郊外の街を管轄している、一人の刑事だ。そしてもう一人は
如月大輔。もともとは警視庁で捜査一課をしていたが、定年により自分の要望でこの街に来たという。もう20年も刑事をしていて、いわゆるベテランだ。
そんな彼はこの街で起きた、連続無差別殺人事件の犯人をこの街のある男性だと言い張り、逮捕するに至った。さて、業務に戻るぞとコーヒーを飲み干し、席を立った。大輔さんは行動が速い。待ってくださいという暇もなく、会計に向かったので僕も一口でコーヒーを飲み干し、彼に着いていく。
「俺が払う。今回はお前がよく頑張っていたからな。」と500円を支払い、40円のお釣りをもらった。珍しい。大輔さんが奢るなんて。「ありがとうございます。」と頭を下げる。「はっ。何年の付き合いだと思ってんだ。」とクールに笑い、パトカーに乗り込む。やっぱりかっこいい。
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