蛹
まんまる
プロローグ 未来から贈る翅
人間は愚かだ。私利私欲のために悪事を働く。それだけではない。自分の都合の良いように人を利用する。俺はそう思う。パトカーの中。後部座席で、警官2人に囲まれ、座っている。俺の手には手錠が嵌められている。濃い、血の赤色に染められた白いシャツ。俺は人を殺めた。なんでこうなってしまったのだろうか。人生にはいくつもの、何万もの、選択がある。そしてその選択には重要なもの、そうでないものがある。重要なものは選択によって自分の人生は変わってくる。だとしたら俺はいつ間違えたのだろうか。そんなことを考えるうちに警察署へと着き、警察に連行されながら入る。
警察署に入ると、拘置所のような、牢屋のような一室に連れてかれた。この警察署は大して大きくない。このような部屋は2つしかない。
そしてついに入れられ、ある警察官に一言。
「取り調べは3日後に行う。そこで大人しくしているように。」
別に何か企んではいない。
俺は三畳ぐらいの部屋にあった、布団に寝っ転がることにした。この部屋は人1人がやっとで、テーブルが置かれている。トイレらしきものもあり十分に生活はできる。
何もすることはない。スマホでゲーム、そんなのも出来るわけない。
「そうか。」俺はふと思った。自分の哀れな姿を世の中にも知ってほしい。「小説を書くか。」俺の子供の頃の夢。小説家。「やってみるか。」警官にお願いして、紙とペンをもらった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます