第48話 「ど」のつく定番。




アリス

「ふぅ。美味しかった…いえ、美味しすぎるわよね?これ。」


この場にマズいものなんて出せるわけないでしょ?

なに当たり前の事いってんだこの聖女様は。


アリス

「あなた、今何か失礼な事考えてなかったかしら?」


今更「●●かしら」って…プーックスクス


レオン

「聖女様に対してそのような…フッ…」


アリス

「ならなぜ鼻で笑うか?」


レオン

「さて、我々はそろそろおいとまさせていただきます。美味しいお茶をご馳走様でした。」


ソフィア

「レオン、また呼んでもいいかしら」


レオン

「勿論です。例えダンジョンの最深部にいたとしても一瞬で駆けつけましょう。」


ソフィア

「あらぁ、嬉しいわ♪」


アリス

「対応が違いすぎじゃない!?」


レオン

「おやおや、レディが大きな声を出されて…はしたないですよ」


アリス

「だ・れ・の・せ・い・よ!!」


エリス

「年増はほっといて帰ろ?」


レオン

「エリス様が帰るのは王城ですよ?」


アリス

「エ、エリス様…今なんと?」


エリス

「レオン、アリスが怖い」

エリス様はボクの後ろにまわりぎゅっと腰に抱きついている。


レオン

「イジメはいけませんね」


ソフィア

「アリス、落ち着いて?」


アリス

「で、でも!2人が!」


ソフィア

「レオンも、いくらアリスが可愛いからってからかいすぎるのはダメよ?」


レオン

「そうですね、アリス様があまりにも可愛い反応をしてくださるのでつい…調子にのってしまいました。

はいはい、ゴメーンネ?」


アリス

「「はいはい」はいらなくない!?」


アレフ

「レオン。あと少しだけいいかな?」


レオン

「なんでしょう?」


アレフ

「さきほど貰ったお二人の絵の事なんだけど。」


レオン

「他のバージョンも欲しいと?

はっ!ま、まさか!?

アレフ王子、姉達はまだ12歳です。

ヌードなどはご勘弁願いたく…」


アレフ

「違うからね!?」


レオン

「ウチの姉では不服だと?

それは聞き捨てなりませんね」


アレフ

「キミわかってて言ってるよね!?」


ちっ!このまま流れで帰れると思ってたのに。


セラフィ

「レオン、そろそろ帰ろ~?お腹がすいたわ」

あんたは自由でいいな!だがしかし…

のった!


レオン

「そうですね、ではそろそろ「誰か!レディに食事を!」・・・・。」


アレフ

「それで、あのような細かい絵を見たことがないんだ。どこの誰が描いたのか教えてはもらえないだろうか?」


レオン

「あ!そうそう!数年前に出会った旅の放浪の彷徨う迷子の迷子の子猫ちゃん的な画家が」


アリス

「なんだか色々と行き詰まってるわね」


ソフィア

「これはレオンが描いたのでしょ?

この絵からは愛が感じられるもの。」


・・・・・。


レオン

「そうですね、ボクが特殊な技法を用いて作ったモノです。」


アリス

「ふーん…ま、そうだろうとは思ってはいたけど。特殊な技法ねぇ」


レイア

「これ以上レオンを責めるなら…」


レイラ

「もういいでしょう?帰ろ?」


アレフ

「いや!責めるつもりなど無かったんだ!ただ気になっただけで…」


ソフィア

「レイラにレイア、アレフはただの好奇心でモノを訊ねただけなの。気に障ってしまったのなら謝罪させるわ。」


王族の謝罪なんていりません。


レオン

「いえいえ、謝罪の必要などありません。ボクがあまり目立つ行為を好まない性格なのでついごまかしてしまいました。申し訳ございません。」


アレフ

「レオン、私の方こそすまない。つい好奇心に負けて気遣いに欠けた余計な事を聞いてしまったようだね。」


ソフィア

「はい、じゃあこの話はここまでにしましょう♪」


エリス

「兄上、僕のレオンをイジメたのはよくない。でも謝れて偉い。これでまた美味しいモノが食べれる。」


アレフ

「妹よ、キミはどこから目線なんだ」


エリス

「ダメな弟をもつ姉?」


アレフ

「私の姉はソフィア姉様だけだったような気がするのだけど…ダメなというのは間違ってないのかもしれないね…」



・・・・・・・・・・・・・



午後


姉ーずの売り出しも順調な滑り出しだった(はず)。

嫁に出そうとかそういう意図はない。

念の為。


さて、せっかく王都にきたんだから遊びたいわけだが自由に使える軍資金が無い。

買い食いしたり服を買う程度のお小遣いくらいはあるし必要なモノは執事にいえばお金を用意してくれる。


メイザルグ家はそれなりに潤っているので金銭面で困る事はないものの

きちんと(母様に)管理されているから繁栄しているという事を忘れてはいけない。

ということでお小遣い以外の買い物はボクがどこで何を買い、いくら使ったとか筒抜けなのだ。


そんなわけで軍資金の調達にと計画していた作戦、冒険者ギルドと商業ギルドを利用する。


商業ギルドはラノベでは定番の日本の商品、主にスイーツや香辛料を売るところから始める。


上位者達に少しずつ食べさせているのはいわば布石。

一度食べれば忘れることなど出来ない日本のお菓子を少量ずつ売ればそれなりの儲けが見込まれるはず。

こっちでは食べられない希少価値のあるモノだからね。


冒険者ギルドは…まぁ、そのままだね。



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