第14話 父よ…
姉様が双子だった件
五年間も同じ屋根の下で暮らしてきたのに何故気づけなかったのか。
元のレオン君の目が節穴だっただけという…
それだけじゃない、このアネーずが巧妙に交代を繰り返しボクとの時間を平等に一人占めするという神業を繰り出していたせいだ。
だがこれで納得できる事もある。
家族の中で姉だけが情緒不安定で頭のネジが数本ゆるんでいるという認識が実は個性の違う2人組ユニットだったと。
「あの、まさかとは思いますがまた増殖したりしませんよね…ね?」
「「ウフフフ」」
いや、初めて双子っぽいユニゾンをブチかましてきたが答えにならないその含み笑いはまさか!?
待て!裏をかいて兄がアニーずの可能性も!?
「レオン、僕達は4人の
何故今まで静観していたのか兄よ。
なんだか兄まで信用を失いそうな案件なんだが?
「それで、マイケルは何故のんびりとしているのかしら?」
「レイアお嬢様、行商人ならすでに集まっておりまして、奥様がただいま尋問…ゴホン、質問中です。」
「まあ!それは素敵ね!
レイラ、私達も行きますよ」
「レイア?何のはな…ちょ、ちょっと引っ張らないで!何なの!?レオンくーん!たすけてー…」
レイラ?姉様はレイア?姉様に連れ去られていってしまった。
「おい貴様!結局誰なのだ!?名を名乗らんか!!おい、待て!無視か!俺は伯爵家当主のレックス=メイザルグだぞぉぉぉぉ…」
父上、それはもう前のターンで終わったコントなのです。
空気読めや。
さて部屋に戻って休憩しよう
「レオン!レオーン!こっちにきて行商人の…」
うん、部屋に戻ろう。
行商人の皆さんゴメンナサイ。
・・・・・・・・・・
レオンの自室
しかしこの家は賑やかだ。
あ、プレゼント渡し損ねたなぁ。
ってか姉ーずのおかげで予備が1つ減っちゃったじゃないか。
家紋も刻んでおかなきゃなぁ。
そうそう、ボク用の魔導具なんだけど必要無くなったんだ。
何故って?
肉体の内部に刻んじゃった(テヘペロ
色々試したんだけどね、しっくりくる案が無くてイケオジ神の真似しちゃったんだよねー。
色々考えた末に思いついたのは
ボクの場合、戦闘の時は武器を右手メインに持つから左手から魔法を放つ事になる。
そこで次元魔法みたいに魔法陣を意識しなくても魔法を撃てたら楽だなーなんて。
なので基礎の魔法陣を改良したモノを五本の指の中と手の平の中に刻印したら発動しちゃったんだよねぇ。
ちなみに右手にも他の魔法陣を刻印してある。
どんな魔法を撃つかイメージするだけで発動できるようになったので便利だよね。
さらに思いついたのは錬金魔法もわざわざ用意したりしなくてもいいように異次元収納の中に錬金魔法の魔法陣をセットしてみたんだ。
試しに合成してみたら収納の中で錬金できてしまったのだ。
部屋で錬金してて急に誰かに見られてしまう事が無くなったので一安心だよね。
さすが神様からいただいた魔法!
なんでもありかよ(ボソッ
ただ、異次元に意識を向けてしまうから錬金中は放心状態になってしまうのが玉に
そんなわけでベッドに横になって眠ったふりしながらレイア姉様の魔導具に家紋を刻印しておいた。
そうそう、
錬金魔法で魔鉱石の色を変える事にも成功したのでカラーバリエーションは無限になった。
女性は喜ぶかもね?
夕食の時間
「いやぁ、まさかあのレオンがこんなにもスマートになって帰ってくるなんてなぁ!マリアナに似て美しい!パパびっくりしちゃったぞぉ♪」
「……………。」無視
「いや!ほんっとうに悪かった!
絶対わからんよ!皆もわからなかっただろ?な?な!?」
自称パパ上様は脳キンなのでどんどん墓穴を掘っていくスタイルだ。
「わからなかったのはお父様だけです。」
「少し家を空けただけでこれとか。」
「「呆れますね、ハァ…」」
姉ーずは容赦ない。
「本当にレックスったら、自分の子供がわからないとかありえませんわ。」
お母様…どの口が言うのか?
「まあまあ、皆もその辺で」
兄様は涙目のパパ上様を見て同情してしまったのだろう、若干引きつつも助け船を出してあげるようだ。
さすが唯一の常識人。
姉ーずの事を黙ってたのはいただけないがお茶目心がでたのだろう、
ということにしておこう。
「さて、食事も済んだし皆にプレゼントがあるんですが、受け取ってくれますか?」
「あら!何かしら?」
「「プレゼント!!」」
「ん?今日はなんの日だったかな」
「おお!レオン!お前からのプレゼントを拒む者など存在するわけがあるまい!ささ、出すがいいぞ!」
「では、持ってくるので少し待っててくださいね?」
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