第11話 鍛錬と実験
朝だ。
三時間ほど仮眠できたので意外とスッキリしている。
未だにおデブなオーク体だが鍛錬を始めたからか少し締まってきており健康にはなってきているようだ。
まずは兄様が起きてくるまでジョギング。
オークみたいな重たい身体をシェイプアップする為に剣術の修行前に走り込みをしているのだ。
もちろんただ走っているだけではない。
魔力を体中に循環させて魔力操作の鍛錬も同時進行している。
おかげで身体強化の効果が出ているようで息切れしなくなってきている。
魔力を使えば使うほど、操作すれば操作するほど基礎魔力量が上がるらしいので起きているあいだは操作と消費をしっかりと続けている。
チート臭漂う念動力で魔力の循環効率は爆上げしている。
時短、大事。
もちろん昨晩?といっていいのかは不明だが魔法陣が刻印された圧縮魔鉱石+2の試作品も装備、使用している。
ジョギングしながら音が出ない水魔法を放ち念動力でUターンさせ自らを攻撃したりしてみたが…
このシールド、なかなかどうしてかなり頑丈だ。
石を念動力で飛ばしてシールドを攻撃しても全て
用意した片手剣やダガーを飛ばして攻撃してみても意味を成さない。
試しに氷魔法、アイスランスをぶつけてみたが硬く尖った氷でも無傷で氷結状態にもならない。
それならばと鋭利な切れ味!
風魔法、ウィンドカッターでどうだ!?
うん、無傷。
炎でもこのシールドは破れないだろうな。
後は内封された魔力がどれだけの時間で無くなるか検証する。
このシールドは熟考した結果、
正四角形
つまりはサイコロ型に展開するようにした。
シールドを展開している本人と大人4人ほどはシールド内に
あとで改良を加えるとすればシールドの大小のサイズを使用者が自由に決められるようにする事と人の出入りを任意で選択できるようにしたい。
展開した時に敵が一緒にシールド内に入ってたりしていたらシールドの意味ないし笑い話では済まない。
後、弱点として移動はできない。
その事を考えると3つの魔法陣の内容が決まった。
まずは
サイコロ型のシールドで使用者の意思で人物の出入りが可能。サイズも選択可能。
必要魔力は魔鉱石から使用。
次に
魔力を流し込む事で魔鉱石に魔力を充填できる。
内封魔力量は魔鉱石表面に刻印する予定の伯爵家の家紋『銀獅子』の色の濃さで判断できるようにする。
最後に
魔鉱石のアクセサリーを持つ人のいる座標がわかるようにする。
家族用が送信機。ボクが持つ予定の魔鉱石が受信機って感じかな。
シールドが展開されたら自動で受信するようにしておけば瞬間移動と転移魔法が使えるボクならすぐに駆けつける事が出来るって事だね。
駆けつけなくても集中さえ出来る環境下なら前世で得意としていたサイキック攻撃が可能だ。
千里眼・透視・念動力のコンボで敵の脳内の大事な管をプチッと千切ってやるか詰まらせてやれば一撃だ。
この能力のせいで殺されたんだけどね…
そろそろ自らの攻撃を受け続けて30分。
シールドが縮んできた。
魔鉱石の魔力が枯渇し始めたって事か?
じゃあ攻撃を受けていなければもっと保つのかな?
いや、ここは圧縮魔鉱石+2は展開可能時間30分くらいと考えておく方がいいな。
うん、30分もあるって事だ。
よし!検証終了だ!
さらに30分ほど
「やあ、おはようレオン」
「おはようございますお兄様」
「毎日頑張れて偉いね、それに少し締まってきたんじゃない?」
「まだまだ醜いミニオークですよ」
「そんなに自分を卑下するものじゃないよ、誰に言われる事無く早朝から1人で努力してるんだ。誰もお前をバカオークだなんて言わないさ。
それに魔力の循環は身体を活性化させるから今の鍛錬を続ければすぐに本当のレオンに戻るさ」
「がんばります!」
ん、バカオーク?
初耳なんですが兄様…
オークのようなデブになっても家族と執事長のマイケルだけは何があってもボクを見捨てなかった、それどころかこんな醜い子ブタを愛してくれた。
メイドは…うん、まあ後々考えるとする。
結構迷惑かけたからね。
よぉし、皆のために本気出すぞ!
集中して鍛錬に打ち込みたいとお父様に頼み込み邪魔の入らない環境を提供してもらう事に成功。
これで鍛錬は当然としと錬金もしっかりと取り組む事ができる。
・・・・・・・・
ボクは馬車で三時間ほどのところにある湖の畔に建っている伯爵家の別荘へ1人訪れていた。
実際には護衛騎士が2人とメイドが2人ついてきているが気にしない。
早朝から昼食まで身体をいじめ抜き、
昼食後からは魔力の鍛錬。
魔法の鍛錬?必要無い。
この世界は魔法陣が魔法の全てのようなものだから神聖文字を解読してしまったボクには必要無いのだ。
よって、魔力の質の向上と基礎魔力量の上昇こそ今のボクに必要ってこと。
夕方に早めの夕食をとり
後は錬金魔法の熟練度をあげるため圧縮と形成を繰り返し行う。
もちろん家族に渡すためのアクセサリーの作成にも取り組んだ。アクセサリーというよりも、ここまでくると魔導具だ。
家族に気を使わず鍛錬ができる環境で全力集中する生活が数日続いた。
基礎体力の上昇にジョギング・腹筋・腕立て・スクワット、
この世界の刀剣に慣れるため剣術の稽古、
さらに同時進行で魔力鍛錬。
ボクは思いつくままに体を動かし魔力を鍛え抜いた。
そして夜は錬金魔法の熟練度を上げる。
圧縮魔鉱石+2で設計した通りの魔導具は複数完成したし残りの魔鉱石で色々と実験したりしている。
そしてみんな大好き魔法陣の作成。
みんなって誰だよ。。。
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