第10話 圧縮
食事を終え風呂を済ませて今度こそフリータイムだ!
一連の流れを組み込んだ魔法陣を念写して準備完了!
わざわざスクロールにするのは錬金魔法で使う魔力の操作が複雑だから。
魔法陣の維持に集中力を
欠点と言えば使い捨てになってしまう事かな。
なので魔鉱石を元に魔鉱石板を作ってみた!
これなら一度の錬金で消滅したりしないし魔力の伝導率が上がるので少ない魔力で滑らかに作業が進むはず。
魔法陣の刻印も表面ではなく内部にしたので表面はツルツルピカピカである。
これは対象物を魔鉱石板の上に直に置くことで魔鉱石板を傷つけたり磨耗を防ぐ対策だったんだけど見た目も綺麗で無駄にテンションが上がってしまう。
だって!表面に刻印した物は上に光るだけだったのが内部刻印バージョンは魔力を通したら魔鉱石板が内部で反射して全体的にブワッて光るもんだからより幻想的になるんだ!!
さて、時間はかかったけどこのやり方で正解だったみたいで考えた通りの結果を出すことができた。
いくつかの圧縮魔鉱石も出来上がったしあとはデザインを考えて形成、魔法陣を刻印すれば完成ってわけだ。
魔鉱石はまだかなり残っているしまた時間が空いた時にでも予備を増やしつつ色んなバージョンを作っていこう。
次いってみよう!後半スタート!
ってなわけで問題はどんな魔法陣を刻印するかってこと。
家族にプレゼントするモノだからまずは皆の身の安全を考えると危険な状況になったときに発動できるシールドのような魔法がいいかな?
少ない魔力で最大の効果というのが理想なんだけどそう簡単には…
あ、せっかく魔鉱石を使ってるんだから圧縮してる分魔力の貯蔵量も増えてるはず!
魔力を流すのはシールドの起動だけにしてシールドのエネルギー自体は貯蔵された魔力を使う形にすればなんとかなるか?
問題はどれだけの魔力を貯蔵できてシールドでどれだけの魔力を消費するかだな。
待て待て、2つの魔法を1つのアクセサリーで使うって事になるのか?
シールドと貯蔵の2つの魔法陣が必要ってことか?
ぐぬぬぬ…検証が必要だね。
・・・・・・・・・・
試行錯誤する事数時間、
わかった事は圧縮後の魔鉱石は2つの魔法陣は無理だった。
2つ目を刻印しようとすると割れてしまった。
が、ここで嬉しい発見。
割れて廃棄になる予定だった魔鉱石を形成することで粘土のように合成する事も可能だという事がわかったのだ。
これで購入した魔鉱石を無駄にする事は無くなった。
なんとも懐に優しい錬金魔法である。
そんなわけでまずは不純物を取り除いたノーマル魔鉱石2つを1つの大きな魔鉱石に合成。
さらに圧縮しやすいよう球体に形成し圧縮開始。
おおおおお!!
時間は三倍かかるけど質量が増したからか更に輝きが倍増した!
これは綺麗だ!さすが純度100%!
元々魔鉱石は少し暗めの赤いルビーのような石なのだが混じり気無しの魔鉱石はまず輝きが違う。
そして今回の合成圧縮された魔鉱石は透過率が下がる予想だったけど赤い色がさらに鮮やかになり透過率も素晴らしい!
一言で言うと今まで見た宝石の中で一番美しい!
これで形成してカット面を作ればさらに最高の物ができるだろう。
カットなんてやったこと無いから自信は無いけどね。。。
ノーマル圧縮魔鉱石を+1として
2つを合成して圧縮したものを圧縮魔鉱石+2としよう。
さらに実験は続く。
圧縮魔鉱石+2は魔法陣を3つ刻印できた。刻印した魔鉱石の魔法陣は再度形成することで魔法陣を消す事も確認した。
購入した魔鉱石をある程度圧縮魔鉱石+2に錬金し、
圧縮魔鉱石+2をさらに合成して圧縮魔鉱石+4まで錬金可能と確認。これ以上は魔力が保たないのと時間がかかりすぎるのでもっと熟練度を上げてからチャレンジする事にした。
ちなみに圧縮魔鉱石+4は魔法陣を6つ刻印できた。
因みに現在刻印しているのは既存の生活魔法と初歩的な攻撃魔法だ。
錬金魔法…なんか楽しくなってきたな!
が、もう朝陽が…
検証に使う圧縮魔鉱石+2を1つだけ作って仮眠する事にしよう。
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