第7話 オーマイガッ



魔法陣に精神感応テレパシーを使ってみたんだ。


色々と試して少し疲れてきたから

気晴らしにやったことの無い、というより生物以外に使うことのない能力を試してみた。


発動させた魔法陣に向かって精神を集中させてみる。


いや、これってサイコメトリーじゃないの?

ボクってこんなことまでできたなんて超有能だよね?


魔法陣を意識してさらに集中力を高めてみる。


んむむむ…


お、おぉ???


うっすらと何か…


おおおおお????


これは…神…聖…文字?


おおお!!!!

頭の中に神聖文字とかいう魔法陣に刻まれていた記号のような文字の知識が飛び込んでくる!!!

誰だこれ?イケオジ?


ぐおおおあああああ!!!!

これ、や、ヤバい!

頭が破裂しそうだ!!!





あ、おさまっ…た?




『小僧!やりやがったな!?』


は?

あ、さっきのイケ…オジ?



イケオジを認識した瞬間だった。

頭の中が真っ白になり意識を飛ばしてしまった…




・・・・・・・・



「………きろ」


ん、、、声?


「小僧!いつまで寝てやがる!

起きろ!!!」


頭の中にまで響いてきた怒声に

ハッと目を覚ますとそこは知らない天井…


ごめんなさい、言ってみたかっただけなんです。

本当にごめんなさい。


いや、マジでどこだココは??

また夢なのか?



「おう!やっと起きやがったか!」

「おはようございます?

っていうかあなたは誰でここはどこですか?」

「ほぅ、慌てる風でもなく冷静に観察してるってか!

さすがは神聖文字を解析しただけはあるな!

あぁ、まあそうだな、俺は

お前らが言うところの…神だ。」

「はい?」


カミ?

あれか?髪の妖精でも出てきちゃったのか?


「ちっげぇよ!バカ!

神だ!神!カ・ミ・サ・マ!」


あれ?声に出ちゃってた?

って神様!?

オーマイガッ!!


「そう!それだよ!

そのオーマイガッの本人の神様だよっ!

おまえわざとだろ!?」


神…神様かぁ

そうかぁ、このワイルド系イケオジがねぇ。

転生とかいうシステムがあるんだからそりゃ居てもおかしくないかぁ。


「まあそういうこったな。

で、ここは俺の部屋だ」


神様だから精神感応テレパシーも当たり前って事か。


「その神様がボクに何のご用でしょうか?」

「おう、禁忌に触れちまった挙げ句さらには真理にまでたどり着いちまったんだ、褒美をくれてやろうと思ってよ」

「禁忌・真理、

それは魔法陣の分析と神聖文字の解析って事ですか?」

「そんなとこだ」

「何をくれるんですか?」

「お前が望むモノだな」


別に欲しい物なんてないんだけど…

相手は自称神様だ。

物質じゃなくてもいけるんじゃ?


「ああ、いいぜ?お前が望むモノを口に出してみろ」


「………では、元の世界に戻れるようにしてください」

「戻ったところでお前はレオンのままだぜ?あの世界のお前には戻らないがいいのか?」

「はい、あっちでやり残した事を片付けたいだけなんで。姿形は問題無いです。」


魔法が使えるようになってから何度か元の世界へ瞬間移動テレポートできないか試してみたんだ。

ボクを使い捨ててくれたお礼をしようと思ってね。

でも瞬間移動が発動した気配はあるんだけど一度も成功する事はなかった。


「そりゃそうだ。次元を越えるような事は簡単にできねえようにしてあるからな。

で?本当にそれだけでいいのか?」

「そうですね、今はそれしか思いつかないです。あ、あとこっちの世界には戻ってきたいです」

「ほう、あいつらに復讐したいだけってことか」

「復讐とかそんな大袈裟なモノじゃないですよ、別に殺すつもりも無いですし。残りの人生をかけて後悔してもらうだけです。

ああでも復讐ってことになるのかな?」

「ふは!ふははははは!!!

おもしれぇ!気に入ったぜ小僧!

お前にとっておきをくれてやる!」

「とっておき、ですか?」

「そうだ!どうせ魔法陣の解析に成功したお前の事だ、いつかはそれに気づき自分で成し遂げる事もできるだろうが

今のお前の願いにはピッタリだろうし何かのヒントにもなるだろう!

そら!受け取れ!!」


自称神様が僕の頭に手を置くと光がボクを包み込んだ。


「次元魔法の魔法陣をお前の魂に刻み込んでやったぜ!

この魔法は色んな事ができるから帰ったら試してみるんだな」

「次元魔法?」

「ああ!魔法陣の意味を理解しない人間には決して使えない魔法だ。

異次元収納とか転移魔法とか色々だ!

お前の瞬間移動と違って魔力は少し消費するが次元を越えて転移する事ができるぜ!」

「おお!それはすごいです!」

「そうだろ?だが!人間には過ぎた力だからな、監視はつけさせてもらうぜ?」

「監視ですか?ずっと視られてたりするんですか?」

「いや、悪意を持って魔法を行使した時に監視者に知らせがくるアラームだと思えばいい。

セラフィ!来い!」


セラフィと言う名に反応したかのように神様の横に見た感じ12歳くらいの少女が現れた。


「お呼びですかパパ?」

「パパって呼ぶんじゃねぇ!客の前だぞ!」


パパ…このワイルド系イケオジが?

パパって…プププw


「おい小僧!聞こえてんぞ!天罰喰らわすぞガキが!

セラフィ、女神としての初仕事だ、この小僧に次元魔法を授けたから悪い事しないように見張っとけ!」

「次元魔法を!?こんな子供に授けたのですか?」


あんたも子供だろ、このロリ神が。


「ちょっと!あなた今ロリ神って言った!?」


こっちも聞こえるのね…

「いえ、とてもキュートでチャーミングな女神様だなぁって思っただけですよ」

「そ、そんな!あ、あ、あなた!女神を口説くなんておませさんなのね!」

「父親を前にして

娘を口説くとはいい度胸だな」ニヤニヤ


まあ、確かに可愛いけどさ…


「かかか可愛いだなんて!

は、初めて言われました」ポッ


……。


そこからセラフィ様にお茶を淹れてもらい色んな話を聞いた。

神様を置き去りにセラフィ様が喋る喋る。何時間喋るんだ?


そして…


「ごほん!そ、そろそろいいだろ。

これで俺と関わる事はお前が生きてる内は二度とぇ。前世の分まで思う存分『せい』を楽しむがいい!」

「レオン!約束をたがえる事は許しませんよ!絶対ですよ!本当に絶対ですよ!!絶対にぜっ…」

「時々は様子を見る!あばよ!」




最後はイケオジ神様がセラフィ様の言葉を遮り強制的に転移させられた。





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