𐎢𓊆475録𓊇𐎽 五芒星
私は、ゼファーさんの背後に閃光スキルで回り、それと同時に神辿人に変化しつつ、口から無風の炎の小さな針を飛ばした。
ゼファーさんは余計な消耗を防ぐために、転移術式によって私の火遁の対処を行おうとしたが、9本の尾を持つ猫……あの例の工場にて出逢った母猫さん由来の神辿人の姿をしている私は、その9本の尾を使ってゼファーさんを拘束して、逃げられようにして避けるという選択肢を封じた。
そのため、手の平から血液を噴出すると同時に自分の全身を包み、火遁だけでなく尾による拘束も同時に振りほどいた。
初歩的な火遁を防ぐためだけに、その対価に見合わない体力を使わせる。
総督府の情報管理能力の甘さも知っている私は、閃光スキルに依存した戦い方をしているような人間が、遁術を扱えるほどの器用さを持ち合わせているわけがないという思い込みがあることも理解している。
その先入観によって、思わぬ一撃を目の当たりにしたことで動揺し、必要以上の力を使ってしまった……………不意討ちとは、何も殺すだけが不意討ちではない。
情報の穴を突いた、精神的な揺さぶりを掛けるという意味での不意討ちもあるということだ。
私の攻撃を防いだゼファーさんは、私が再び距離を取ったことを感知した後に、血液で作り出した、全身を包んでいた繭状の防御壁を解除した。
「クソッ………!!化け猫らしく………猫騙しってことか………!!」
ᚪ̥ͦ[̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅][̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅]✬ᚪ̺͆𐎢[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]𓊆その猫騙しに引っ掛かっているのは、どちら様でしょうか?𓊇[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]𐎽✫ᚪ̺͆[̲̅ᛞ̲̅][̲̅ᚴ̲̅][̲̅ᚵ̲̅][̲̅ᚺ̲̅]ᚪ̥ͦ
「言ってくれるな…………どうやら、適性ではない正面衝突という戦法をとっても、力を温存させてくれるほど、ヤワな相手じゃないということか」
ᚪ̥ͦ[̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅][̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅]✬ᚪ̺͆𐎢[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]𓊆そもそも、ここ最近までは正面衝突の火力勝負をすることをメインにしていたほどです。だんだんと暗殺や長期戦に持ち込むという戦法に変えていったに過ぎません。ある意味、原点回帰と言ってもいいでしょう𓊇[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]𐎽✫ᚪ̺͆[̲̅ᛞ̲̅][̲̅ᚴ̲̅][̲̅ᚵ̲̅][̲̅ᚺ̲̅]ᚪ̥ͦ
「ははっ、物書きの癖に"ペンは剣よりも強し"とはならないのだな………!!」
ᚪ̥ͦ[̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅][̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅]✬ᚪ̺͆𐎢[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]𓊆馬鹿なんですか?プラスチック製のペンが、鉄で作られている剣に勝てると思います?𓊇[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]𐎽✫ᚪ̺͆[̲̅ᛞ̲̅][̲̅ᚴ̲̅][̲̅ᚵ̲̅][̲̅ᚺ̲̅]ᚪ̥ͦ
「ごもっともな意見をありがとうな!!」
___ミヂヂヂヂヂヂヂ………!!!!
ᚪ̥ͦ[̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅][̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅]✬ᚪ͆[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]𓊆……………………?𓊇[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]𐎽✫ᚪ̺͆[̲̅ᛞ̲̅][̲̅ᚴ̲̅][̲̅ᚵ̲̅][̲̅ᚺ̲̅]ᚪ̥ͦ
ゼファーさんは、私に右手の手の平を向けながら、手首の辺りから棒状に変化させた骨を放出し、それを魔術と思われる異能によって浮遊させ、手のひらを端を挟み込むような位置に付けた。
そして、右腕と骨に高圧電流を纏い、手の平からは球体の血液の塊を作り出し、それを私に向かって撃ち放った。
中断させるために、距離を詰めようかと思ったが………私の素の火力では打ち破れないほどの強度を誇る全身防御を常に行っている人間に突っ込んでいくのはリスクしかない。
私が攻撃を仕掛けたところで、中断させるほどの火力を瞬間的に生み出すことが出来ず、ゼロ距離であの技を食らうことになる。
それを踏まえると……………一定の距離を保ったまま、好きにやらせる方が賢明だ。
(これが、情報にあった………ゼファーさんのレールガンか)
私の遁術………雷遁でも、再現することが出来そうだな。
ただ、見た技をその場で模倣できるほどの天才肌ではない。この戦いを乗り切り、明日からでも練習すればいいだけの事。
ᚪ̥ͦ[̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅][̲̅ᛈ̲̅][̲̅ᛩ̲̅]✬ᚪ̺͆𐎢[̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅][̲̅I̲̅]𓊆…………"五行木遁・
「え、詠唱を省略………!?ここまで………!!まさか、最初に詠唱をしたのは、敢えてだったのか………!!」
詠唱省いただけで、これだけの動揺。
言葉一つだけで陽動が成り立つ程度の精神力で、よく生き残ってこれたと思う。
…………狩られる側、食われる側という弱者に回ったことが奴等が、実際に弱者に回った途端、自分が経験したことがない危機に直面して感情的になるのは珍しくはない。
追い込まれた経験が無いという、致命的な弱点を克服していないのは………強者という一時的な鍍金の肩書きに酔いしれたという事実以外に無い。
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