𐎢‎𓊆112録𓊇𐎽 DECEIVING of GLUTTONIY 〘☩〖TWENTY-THREE〗☩〙












𐏃O𐎢𐎩O𐎢𐎿𐎡𐎣𐎡𐎣𐎠𐎼E𐎴










楓夏依の新しい一面が見れたところで、私達は例の広場から移動して、とある扉の前に来ております。


楓夏依の、あの冷たい感情については私は特に何も思っていない。楓夏依からしても、私の戦っている時の表情や感情の冷たさというのは見てきている。


それに、あくまで自分に向けられたものではなくて、自分達のことを殺そうとしている化け物に向けられているものだということを理解している。



相手が相手なので、そのような態度をするのは至極当然とも言える。容赦する理由もないわけで。


自分にとって、大切な存在を殺されそうになっているのだ。その対象に向かって冷たい感情を向けないわけがない。


少しでも情を掛けた途端に、奴等はすぐに調子に乗って更にふざけた真似を繰り返すことになる。


コメント欄では「ユキがこんな子だとは思わなかった」や「あんな風に暴力的なのはカレンじゃない!!」なんて言われようだが……


こういう典型的な偽善者タイプのキモヲタの意見は聞く気は無い。見たくないなら見なければいい。そういうコメントをして構ってもらいたいだけなのかもしれないが………生憎、私達はアンチの相手をして遊んでいるほどの余裕は無い。


CRY.STi⟬A⟭LLIZATION2期生として普通に配信している時からも、アンチコメントは適当にスルーしていた。


デビュー当初から私達は無視というスタンスを取っていた。構うからアンチが増えていくのであって、褒め言葉しか拾わないようにしておけば、活動者に自分のコメントを拾ってもらいたい症候群の奴等は、アンチコメを送り込むのではなくて、スパチャで適当に褒め称えるような言葉選びをするようになる。


赤スパでアンチコメ投げてくるのもたまにいるが、そういうのも無視している。1万円以上使ってまでアンチコメ送って、それで構ってもらいたいとか………本物の病気だと思ってしまう。







___ドンドンドンドンドン………!!!!ガチャガチャガチャガチャ…………!!!!!







「開かないんだけど」


「カレン、どっかに鍵があるばすでしょ?」


「そんな、DOOORSみたいな事をやらないといけないの?」


「懐かしいな」



私達の目の前にある扉は、普通のドアなのだが………鍵が掛かっているため開くことが出来ないでいる。


全員で一斉に魔法をぶつけてみたものの、無効化されてしまって壊すことも出来ない。楓夏依と私で扉を思い切り蹴り飛ばして見たものの、扉全体が柔らかいゴムボールのような性質に変わってしまい、それによって私達が弾かれてしまう。


ボタンのような物が壁に付けられているのだが、それが一向に反応しない。押している感触はあるのに、扉の鍵が開く様子は見られなかった。


正攻法でしっかりと攻略しないと駄目なヤツだという事だな。


仕方ない………謎解きをするしかないか。ホラゲかと思いきや、ガッツリ脱出ゲームのようなパズル要素もあるのか。


デビューしたての頃に、スマホゲームメインで配信していた頃にやっていた、DOOORSを思い出した。


部屋の中にあるもので、謎解きをしながら扉の鍵を開けていくということを繰り返していくというゲーム。


単純な謎解き脱出ゲームであるが、シンプル且つそこそこ頭を使うゲームでもあるので、やりごたえは抜群だった。


クリアしていく度に難易度が上がっていって、それを攻略方法などを一切見ずに自力でクリアしていく耐久配信をやっていた時は楽しかった。


100ステージくらいあって、終わるまでに3時間くらいは掛かったのかな?思ったよりも早く終わって助かった。


コメント欄に答えを書く馬鹿も居るだろうと思って、コメント欄は消したままで進行させていた。


本当に一人で喋って一人でリアクションして…………生配信だというのにリスナーと一切絡まずに耐久配信をするという事をやってのけたのだ。


終わった後に、少し雑談をしてスパチャお礼なんかもやりましたよ。一応は。アンチコメ飛ぶかなって思ったら、そこまで飛んでいなくて逆にビックリした記憶がある。



そんな配信を思い出させるような………謎解きを、自分の体でやることになるなんて誰が予想出来たか。



「ボタンで鍵開く感じかな?」


「どうだろう………ね。とりあえず、ここら辺一体を探してみようか」


「あっ、カレン。ちょいちょい 」


「何、ユキ」


「扉の上のところに、なんか切れ込みみたいのがあるよ?正方形の」


「……………………………あっ、マジだ」



楓夏依に呼ばれて、その指が差している方向を見ると、確かに正方形の切れ込みのようなものが入っている。


切れ込みというよりは、収納スペースの蓋のようにも見えた。


楓夏依に肩車をしてもらって、正方形の部分を調べてみる。ドライバーとかで開けられるような仕組みではなかったので、隙間に刀を差し込んで、テコの原理で無理矢理こじ開ける事にした。








___ギギギギギギギ………ミシミシミシミシ………ボゴンッ!!!!










「おっしゃ!!開いた!!」









___ガシャンッ…………!!!!










「あぶっ………!!ちょっ、カレン!!落とす時は落とすよって言ってよ!!本当に危なかったじゃん!!」


「すまんくす」

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