𐎢𓊆78録𓊇𐎽 betrayal Stream 錄
そんなに尻が痛くなるならウォシュレットなんてしなければいいって言われるのは分かる。でも、私は紙だけでは絶対にウンコの後処理を終わらせたくないタイプなのだ。
どんなに尻が痛くても、ウォシュレットで綺麗にしておかないと気が済まない。痛みがあっても、そこは譲れない部分である。
楓夏依からは「トイレに潤羽るしあが居る」と言われたりもした。発狂ボイスがティガレックスやフルフルや初号機と呼ばれるくらいに、音圧も声量も表現力もあるシャウトが出来る元ホロライブの潤羽るしあと並べられて、「誰がみけねこや!」って突っ込もうと頭の中では決めていたのに、尻が痛すぎて突っ込む事が出来なかった。
そんな痛みを抱える時が何回もあった。激辛を食べる度にウンコしては発狂するというのを繰り返していた。
その度に楓夏依達からは、潤羽るしあという呼び方も含めて、鏖魔ディアブロスやティガレックス希少種なんて呼ばれたりもすることがあった。
プライベートだけではなく、配信上でも普通に話していたことだった。コラボ配信で「前の配信で激辛食った時の次の日、事務所のトイレで発狂した」ということを言った時には、「一応はドル売りしている方向性でやっているのに、こんなにもクソ汚いことをやっております」からの「最寄りのディアブロス」なんて私の事を呼び始める。
そこで私も普通にディアブロスのモノマネをするという、鏖魔ディアブロスが極限まで怒り状態?のような状態になる時の咆哮のモノマネをしてマイクを壊したことがある。
たまたま事務所で配信していたので、予備で付けていたピンマイクに切り替えて、マネージャーに「マイク壊れました」と伝えて新しいマイクを貰ったことがある。
楓夏依がすぐに「音が入ってない」ってことを教えてくれて、最初はコードが抜けたりでもしたのかな?も思って…………まさか、マイクそのものが駄目になるなんて思わなかったから。
色々と調べた結果、マイクが駄目になっている事が判明してすぐに取り替えた。後で社長に「どうしてマイクが壊れたんだ?」と、説教とかではなくて、そこそこの耐久性のあるはずのマイクを使わせていたはずなのに、声だけでマイクが壊れたという事実が信じられずに、配信のアーカイブも見ていたと話していながらも、その配信の次の日に「壊れた理由を教えてほしい」と言われた。
何もやましいことはないので、真実を話した。社長もアーカイブを見ていたので、そのアーカイブとの辻褄もしっかりと合う。
私は、落として壊したことを誤魔化すために声で壊れたという苦し紛れの言い訳をするような人間ではない。
社長も私の性格は分かっているため、そこまで質問を沢山投げつけてくるということはなかった。
実際に事を起こしてしまった私自身がビックリしている事だったよ。えっ、なんでそこで壊れるの?っていう疑問が真っ先に出てきたくらい。
今までも何度も私の咆哮に耐えてきたようなマイクが、少しキーの高めの鏖魔ディアブロスの真似をしたくらいで駄目になるなんて……………しかも、コラボ配信中で壊れるなんて思いもしなかった。
ちなみに、マイク破壊配信自体は凄い盛り上がってくれた。
マイク代と言って、楓夏依のファンもミラー配信という形で私のチャンネルでも配信していたこともあって、私の枠の中に入り直してもらってから、私に対してのスパチャを送ってもらった。
私はその日で結構なスパチャの額を稼ぐことが出来た。マイク代は会社が経費で落とすので、私が弁償ということにはならなかった。
故意ではないことも社長も理解していたのもあり、配信中のトラブルによってマイクが壊れてしまったくらいで演者から金を巻き上げる事なんて出来ない……ということを言ってくださって、前のよりも綺麗でグレードアップしたマイクをくれたものだ。
その壊れたマイク、デビューから3年くらいずっと使っていて単純に経年劣化による脆さも目立ってきて、それが私の鏖魔ディアブロスのモノマネによってトドメを刺されたようなもの。
本格的に音が拾えなくなる前までにも、マイクの不調が度々出ていたので、経年劣化の影響が大きいという判断もあって、何のお咎めもなしにマイクを無料で新調できたのは嬉しかった。
そのマイクは、CRY.STi⟬A⟭LLIZATIONが終わる時まで使っていた。会社が潰されるというときにも、そのマイクを含めた機材を持って帰って個人としてもやろうと思っていた時が凄い懐かしく感じる。
結局やらずに自殺してしまったとは言っても、潰れたその日は何とか活動を続けようとしたんだよな、私達…………日に日にメンタルが削られていって、配信をやる余裕もなくて。
自分の声が死んでいっているのも分かってて、そんな絶望に満ち溢れた声を使ってカレンのイメージを損ないたくなった。
今となっては、無理して配信をして豐穣熾カレンのイメージを潰さなくてよかったと思える。
そんな絶望配信をしていたら伝説にはならなかったと思う。そこだけは前世の自分の判断を褒めてもいいのかなとは思える。
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