𐎢‎𓊆38録𓊇𐎽 討伐 Ⅱ


「………………………ふざけたことは、言うもんじゃないよ。死体に何言ったところで通じるわけもないんだけどさ」


「·······················································」


「ゆみり、大丈夫?」


「あ、はい…………」



死体に向かってゴミを見るような表情を向がら冷たい言葉を放った後に、私の方を見てすぐに私の体を心配するような表情を浮かべてた。


その表情の移り変わりを見て、私は何も言えなくなってしまった。何て言葉を返せばいいのか、分からなくなってしまったというのが正しい。



それに、頭を吹き飛ばした時の美咲の表情が今までに見た事ないブチギレた表情をしていた。文字通りの鬼のような形相だった。


その表情を向けられていないはずの私ですらも、思わず背筋が凍ってしまうような恐怖を感じた。


前世の時に、どんな大喧嘩をしても、どんなにブチギレていようとも………絶対に見せることの無い表情だった。



そんな美咲に、あそこまでの表情をさせるとは………分かってはいたことだが、本当にヤバい化け物だったんだなと思う。


死ななくて良かったと思う反面……色々な事が同時に起こり、何とか頭が対処している最中での、美咲のあの表情。


もう、そんなことが積み重なり過ぎてしまって……何をどう発言すればいいか、ボキャブラリーが行方不明になるのも致し方のない事だと思っている。



「えっ、本当に大丈夫?顔、なんかヤバいよ?めっちゃ真っ青になってるし……」


「そ、そうかな?そうでも、無くない?」


「…………………………………」


「そ、そんなに見つめられると恥ずかしくなってくるんだけど…………」


「えっ、配信中の時だって見つめあってる時とかあったじゃん」


「あ、あったけどさ………その時と顔違うし。なんか、こう、マリナに見つめられるってなると………何となく小っ恥ずかしくなってくるというか、そんな気持ちになってくるんですよね」


「濡れた」


「も、漏れた?」


「違う、濡れたかって聞いたの?」


「えっ……………何で?どこが?えっ?返り血?どこどこ?」


「濡れるって言ったら…………もう1つしかないでしょ?」


「··················································あっ、そういうことか」


「気付くの遅いわ」



同期のガワに迫られたからと言って、その………とある部分が濡れるなんて事は無い。


とある部分と言って伝わりますかね?デリケートゾーンと言えば分かるか。Sexy zoneという言い方もあったが、それは何かと物議を醸し出しそうだったもので。


レイティング的にと言うよりも、ファンの方々がざわめき出すのではと思って、デリケートゾーンという言い方を選ばさせていただいた。



まぁ、Sexy zoneという名前を出してしまった時点でアウトだろう。だが、私もジャニヲタではあるので、それを免罪符として失言を無かった事にしよう。


···············しかし、こうしてじっくりとマリナの顔を見ると、かなり可愛い顔立ちをしているため、顔を近付けられると少し鼓動が早くなっていくのはある。


前々から自覚していた部分はあるが…………やっぱり、私の恋愛対象って同性なのかもしれない。性自認は女の、恋愛対象は女っていうパターンの女だと思う。


でも、普通にイケメンとか見るとテンション上がるしな………バイ・セクシャルなのかもしれない。


バイはバイでもレズ寄りのストレート………って事になるのか?


あまりにこの手の話を取り入れ過ぎるのもリスキーだと理解している。無駄に世間が敏感になり過ぎている部分もあると思う。明らかに差別的な意味での発言をしているのなら糾弾しても良いとは思う。


そうではない、創作上の話の中で「これは軽蔑だ、冒涜だ」みたいなことを言い出すのは絶対に違う。

多様化を唱えている連中ほど、世間に対しての物差しが狭っ苦しいのは有りがちなところだ。


何をそんなに神経質になっているのだろうと不思議で仕方ない。神経質というか、他人の粗探しや他人の足元を救いたい衝動が抑えられない奴等が同志を集めて騒いでいるに過ぎない。


偽善者ヅラしている中でも、一番といっていいくらいにタチの悪い連中だ。こんなことを言ったところで、メリットなんていうものはミリも無い。


それなのに、そこまでして他人を陥れるようなことをして楽しいのかと。楽しいからやっているのだろうが、ますますストレスを抱える羽目に状況に自分の方がなっていってしまっているという状況に何故、気付けないのだろう。


もう少し、賢く生きることは出来るはずだ。そういうことをする奴等は、中途半端に恵まれた環境で、特に挫折という経験も無く、「これでいいや」という妥協の中でも普通に生きてこれてしまって、いざ挫折などといった人生の谷の経験をした時………そこから這い上がれなくなって、自分と同じ立場の人間を増やそうと考え付いた結果の成れの果てがソイツ等と言えよう。


ある程度年齢いってからの失敗や挫折は本当に立ち直れなくなるから、ある程度の早い段階でそういうマイナスの経験を積んでおくのが大切なのか、というのを学ばせてくれる反面教師としては最高の素材ではあっても、生きていて欲しくはない人種でもあるから、扱いが本当に難しい。



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