𐎢𓊆33録𓊇𐎽喧騒の随に
___ギギギギ………ギチギチギチギチ………
「美香、凄い歯ぎしりしてんのな」
「私の歯ぎしりなわけないでしょ?どんだけクソデカい歯ぎしりしてんだよ」
「でも、いつだか泊まりに行った時に隣で寝てたら、めっちゃ歯ぎしり凄かったぞ?ノコギリで木でも削ってんのかと」
「どんな化け物だよ、私は」
今、現在進行形で化け物が近づいているのですがね。
どうやら、私以外の3人は化け物が近くに居ることに気が付いていない模様。結構、かなり強めの気配が漂っていると思っているのは私だけなのか?
いや、音が聞こえてるっていうことは………気配にも気付いている可能性が高いはず。
それとも、何かの騒音と勘違いしているのか?
………………騒音と聞き間違えている可能性も高まるな。前世の時だとするならば、外からギチギチギチギチという不気味が音がしたところで、「外に化け物が居る!!」とはならない。
風で建物が軋んでいる音なのか、どこかで工事をやっている音なのか………そのどちらかが頭を過ぎるはず。
異世界来て初日で、そんな音が聞こえて「化け物が来る………!!」という認識になっている私がおかしいのかもしれない。
私が異世界に順応するのが早過ぎたのかもしれない。
順応が早いだろ!!っていうことを突っ込まれたとしても、この世界を生き抜くためには、そういった感覚が鋭いのは強みでしかないはず。
状況的にも、このような場所に置かれている以上………死なないためには、いかに自分の感性を命を守るために活かせるのか?という部分も重要になってくる。
…………まさか、異世界で生き延びるための感覚や感性が、私が最初に目覚めていくとは思わなかった。
一番最初の化け物の時の戦いだって、直感任せに突っ込んで、頭空っぽのままで……「美香を助けたい!!」という気持ちだけしか無かった状態で突き進んで勝つことが出来た。
自惚れるわけではないが、何故………自分が、こんなにも異世界という知らない場所に来て、ここまで感覚が冴えているのだろうと不思議に思っている。
前世の時から、直感が急に冴えたり……何となく、数奇な運命に巻き込まれるなんてことはあったような………CRY.STi⟬A⟭LLIZATIONについても、私が受かった理由っていうのは社長は最後まで教えてくれなかった。
そして、私が豐穣熾カレンとして爆発的に伸びていた理由についても………結局のところは謎が多い。
幼少期から両親が普通という概念を無理矢理にでも刷り込もうしたことにも、何かしらの理由があるのだろうか?
私自身には分からない、私自身が持っている………特殊なナニカ。楓夏依とかに聞いても「普通っぽく見えるだけの、中身めっちゃ変わっているヤバくて面白い人」って言われるし、配信のアーカイブを見返しても個人的には特別目を惹くような配信ではないような気がする。
…………自覚していないだけで、色々と抱え込んでいるのでしょうか。私は。
___ギチギチギチギチ……ギギギギ……ミ"ヂヂヂヂヂヂ………
「…………………明らか、ヤバい音が聞こえてきてるやん」
「丁度ラーメン食べ終わって、少し食休みでもしようかと思ってたのに………また、化け物を討伐したりしなきゃいけないの?」
「私達って、そんなにも命が狙われやすいのかな?」
「自分達にとっての脅威になる存在だったら、誰だって潰せる時に潰しておきたいもんでしょ?」
「うーん、それもそっか」
[̲̅𓎡̲̅][̲̅𓆓̲̅][̲̅𓎡̲̅]И̥ͦ𓆓̺͆༆𖣘中村………ゆみりぃぃぃ………!!!!𖣘༆𓃭̥ͦ𓆓̥ͦ𓆓̺͆К̥ͦ[̲̅𓏲̲̅][̲̅𓎼̲̅][̲̅𓆑̲̅]
「··················································」
「··················································」
「··················································」
「··················································」
[̲̅𓎡̲̅][̲̅𓆓̲̅][̲̅𓎡̲̅]И̥ͦ𓆓̺͆༆𖣘スゥゥゥ…………ガァァァァあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!𖣘༆𓃭̥ͦ𓆓̥ͦ𓆓̺͆К̥ͦ[̲̅𓏲̲̅][̲̅𓎼̲̅][̲̅𓆑̲̅]
「「「「………………………!!??」」」」
___ドゴォォォオオオオオオオオオオ………………!!!!ガシャアアアアアンッ!!!!
「うっ、ぐ…………!!咆哮で建物丸々吹き飛ばしやがった………!!」
「よく吹き飛ばなかったね………私達………」
「頭の上………ラーメン屋の天井だったはずなのに、いつの間にか青空になっているなんていう経験、前世では絶対に体験出来ない事だよ」
現世でも、そんな死と隣り合わせになるような現象には遭いたくなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます