𐎢‎𓊆30録𓊇𐎽 Real Face


全く、もっと冷静に物事を見てくれればいいのになって思う。それが出来ないから、変な風に騒ぎ立てたりして、それが時にはライバー達に悪影響を与えてくる。


どうでもいい奴等に関しては、別に何とも思わないけど。2期生に関しては見逃せないかな?って思って、対策を一人で考えたりもした。


ただ、全てを改善するということは人気を金に変えている以上は無理があるなって事になりまして。

結局、一人で頭の中でモヤモヤとしただけで終わってしまった。


あまり頻繁に開示請求をやり過ぎるのも、印象自体も悪くなるばかりか、娯楽のために気を遣うのは馬鹿らしいとヲタク離れを引き起こすことになるため、我慢出来るところは我慢しようというのも暗黙の了解になっている。


うちだけだったのかは知らないが………2期生は比較的に、人生の過程で何かと訳あり人種の集いみたいなところがあったため、誹謗中傷ごときで挫けるようなメンツではない。


他のライバー達が「誹謗中傷がしんどい」と話している間でも、心の中では「あんだけ金貰えて、デメリットが激務と誹謗中傷なんてやすいものだろう」という考えの………これはこれでどうなのだろう?っていうのもあったが。


有名税にしては安いものだろうという……寧ろ、有名税と呼べるほどに精神的なダメージなんて一切無いのだが?ってくらい。


その弊害は、後輩に「誹謗中傷はどうすれば乗り越えられますか?」っていう質問には答えられなくて、「頑張れ!!」しか言えなくなって、少し気まずい空気になったりもした事が何回もあるってくらいか。



そんなことやってるものだから、変に人間関係の派閥が出来上がっていく。派閥とか嫌いだが、自分達が原因の部分もあると、そこについては何も言えなくなってしまうよ。


私達2期生だけは、派閥に入らずに4人で好き勝手やってたね。好き勝手やっていたっていうよりかは………なんて言えばいいのだろう。


周りがそういうことをやっている間も、私達は私達で私達で楽しんだり、真面目に仕事の話をしたり……っていうだけだ。


派閥だ何だでやっていて、本当に自分のやらなきゃいけないことに注力しないで何をやっているんだ!!っていうのは少しだけ思うだけで、私達がいちいち意見することでも無い。触らぬ神に祟りなしっていうのも4人とも分かっていたから、見下したりっていうのも無いし、4人で陰口を言うこともない。


言われているのは知ってても、だから何だ?という感じで聞き流している。

同期の人間関係が恵まれすぎていて、敢えて毒を貰うような場所に首を突っ込む必要が無い。


もっと、仲良くすればいいのにな………と思うだけ。

全体で仲良しこよしまではやらなくとも、同期だけでも上手く付き合うって事は出来ないものかね?っていうのは何度か思った。


同じ場所で、同じタイミングで、同じ仕事をやる仲間なのだ。他の会社員とは違って、同じ感覚を持って、自らやりたい仕事に向かって、夢を叶えた人間が集まっているはずだ。


似ているところ、同じところが多い関係性において、そこまで潰し合うようなことをしていても何にも楽しくない。


そこに労力を使うくらいなら、自分自身を極めていくために努力を続ける方が、周りも自分も平和で、尚且つ楽しく生きていられるというもの。



自らの首を絞めて、ギリギリでいつも生きていく必要はどこにもない。ギリギリでいつも生きていたくて仕方無いというならば……そういう選択肢も有りだとは思う。


活動方針なんて個々の自由なのがVTuber。事務所に入っているとは言っても、個人事業主で、雇われているわけではない。雇われていない………っていうのは、また違うんだが。


少し説明が難しいところではある。個人事業主であることは間違いないが、一応は会社に属している人間という……事か。だからこそ、ある程度の会社に縛られるというものはあるものの、その分会社が守ってくれる部分も大きい。


受けた案件の報酬金が未払いだったとしても、事務所が一旦立て替えてくれて……その分を事務所は先方に詰めてくれる。


CRY.STi⟬A⟭LLIZATIONは詰め方が結構アングラっていう噂をチラホラ聞いていたが………まぁ、ライバーとしては確実に報酬金を払ってくれるのであれば助かるわけで。


そこまで深刻な問題としては考えていなかった。……結果、問題発覚からの倒産という流れになってしまったのだから、しっかりと予防線を張っておくべきだったと、私達自身の詰めの甘さが出てしまった。


現世では、そういうことが無いように徹底しなければ。


後は……………自分の気をしっかりと持つことだ。私達にとって、そこが一番重要だ。他のメンバーは普通に転職したりしていたのに、私達だけが前に進めずに人生を諦めてしまった。


会社が倒産したって、モデル自体は買い取っていて、私達の所有物でもあった。個人勢でも十分にやれたはずなのに、気力の問題で自殺を選んでしまった。


判断を誤って、人生を諦める選択をしたのが早過ぎた………もう少し踏ん張れたと、それが前世においての最も大きな後悔かな。



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