𐎢‎𓊆18録𓊇𐎽 VTuber界の手越祐也


反転アンチみたいのからは、月島ユキのキャラというのは「VTuber界の手越祐也」という言われるくらいに明るいと言われてたりもした。


喋っている雰囲気もどことなくチャラ男っぽいところがあって、本人もノリノリで「んー、テイッ☆」って言ったりもしていたのも相まって、検索エンジンでは上位の予測に「月島ユキ 手越」や「月島ユキ 手越祐也」っていう第二検索ワードが出てくるレベルまでになった。


歌ってみた配信では、推しでもなんでもない手越のソロ曲を聞いてフルコーラスで歌えているようにして望むということもやっている。


ガッツリチャンカパーナ歌ったりもしていた。NEWSや手越の曲の歌う時はしっかりと手越に寄せていたことと高い歌唱力もあって、そこでNEWSファンや手越ファンからもしっかりと評価されて、新規開拓も同時に行っていた。


何も考えてなさそうで、しっかりと経済戦略に関しては、誰よりもストイックに追い込んで考え抜いてコンテンツを提供した楓夏依。


そのストイックさが裏目に出て、癖強な配信や尖り過ぎた配信になって、大衆受けとまでは届かなかったのが勿体無いな……ってずっと感じていた。


路線が違ったならば、私よりも知名度がある伝説のVTuberにもなれたな、と確信できるほどの高いポテンシャルを秘めていた。


事務所No.1の陽キャで、配信でもオフでもずっと手越祐也ポジティブだった。



圧倒的な陽のオーラに気圧されて、美香と美咲がプリン食いながら「眩し過ぎて死ぬ」とか「うちら、陰キャヴァンパイアだから陽の光浴びると死ぬ」とか………名前に同じ「美しい」という文字が入ってるからなのか、この2人はシンクロ率が高い時が多い。


「本蓮沼サクラと竜宮城マリナは中の人が双子?」って言われるほどに似ている。見た目と声は全然似ていないのに、感性とか性格とか……細かい仕草も似ている。


意味不明なところで動きがシンクロしたり、発言がハモったりするのがとても多い2人。


デビュー当初はハモったりシンクロする度にクスクスと笑い合っていたが、1年くらい経った時には頻度があまりにも高過ぎるせいで、2人の間では日常茶飯事になって、ハモってもハモリ続けたままで喋り続けるということまでやっていた。


「唐揚げはマヨネーズじゃなくて、醤油とわさびが1番なんだよね〜」という……まぁまぁの長文ですらも綺麗にハモるという。


打ち合わせしていても、ここまで綺麗にハモれないレベルの長文も平気でハモるから、私と楓夏依はその度に笑っている。


ツッコむのもキリがないなというくらいに起こっているはずなのに、毎度毎度笑ってしまう面白さがある。


リスナーからも散々のように切り抜かれてネタにされているほど。ハモリ、シンクロ総集編で20分くらいの動画が上げられるほど。


そこの部分だけで20分も動画作れるほどの素材提供出来るのも、流石はプロだと素直に凄い。


凄い以外の言葉も気持ちも出てこないよね。奇跡のコンビネーションのお2人です。



こんなにも面白い3人なのに、なんで世間はもっと評価しないんだろうと思う。普通に1000万登録者数を達成できるくらいのポテンシャルがあって、配信のアーカイブも常にダブルミリオン達成して………


オリ曲なんかも何千万回って再生されるような………楓夏依は歌唱力も高いから、歌ってみたでもオリ曲でも絶対に億取れる程の実力があるのに、なんで誰も評価しないんだろうと常々感じていた。


私のファンの人達の中で、同期の3人の悪口言ってるのを見るんだけど、普通に配信中に「同期の悪口言うのは出禁にします」とか、あまりにも酷いものには「開示請求も視野に入れます」って本気で怒っていたから、チャンネル登録者もビミョーに減ったけど、それくらいで減るならファンで居られるのも迷惑としか思わない。


つまり、同期の悪口を言ってる奴等に共感している奴等がそういうことをやっているなら、こっちから消してやってもいいんですが?くらいに考えて、本当に楓夏依達の誹謗中傷に対して自分の金で開示請求のための弁護士を雇ったりしようとしたら、社長達に全力で止められた。


美咲に「やり過ぎだから、気にしてないから」って半ば泣き落としみたいなことをされて、仕方無く訴えることを止めた。


その後、社長があの手この手で色々とやってくれたようではありますが。多分、何かと裏の力を使っていたのでは?って勝手に思っている。


そういうことをやっていなければ………やり過ぎていなければ、今頃も私達は2000年前の前世の寿命をもう少し長く生きることが出来たのでは?


今更、後の祭りなことを言ってしまうことになるが………



「辛気臭い雰囲気は、私は嫌いなんでね?テンション上げていきやしょうや」


「う、うん………」


「すみません。ずっとこんな感じなんです」


「なんでヲタクの集まりみたいな環境のVTuber界隈に、こんな根明が居るのかが分からないですもん」


「私はVヲタだもん」


「スパチャ120円の女が」


「いやいや、その推しが引退配信やった時は私もVTuberデビューしていたから、赤スパを「私もVTuberとして活動しています。貴女の背中を見て頑張れています。正直、コラボしたかったです」って涙流しながら送ったよ」


「血の涙かよ、赤スパだけに」


「…………………………どうした?ゆみり」


「忘れて」


「でも、プライベートで中の人と会えたから良かったけど」


「一応、コラボなのかな?」


「あの時のVTuberやっている赤スパの子?って言ってくれた時は嬉しかったな………てか、結婚して子供居て………年齢も40歳やったわ」


「あー、本当に潮時で止めたんだな」


「前世の事を隠しながらブロガーやったり、Vライバーの事務所の専務とかやってるとかって話してたな」


「ちゃんと業界に関わっているのも素敵だな。そういう引退したかった」


「ね、理想形だよな」


「これが……………VTuberの中の人、リアルな事情ってヤツなのか…………」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る