40話 全ては明かせない
「どうして教えてくれなかったんですか!」
「教えないといけない理由もなかったし、あとさ、外見はほとんど変わってないから同じクラスメイト
「気づかなかったのはごめん…。」
「あとさ、今更言ったら気まずくなるでしょ関係が。」
今すでに気まずくなっちゃってるけど。
「僕たちが気づかなかったのには理由があるんだよ。」
めぐるが、ひんやりしたここの空気を変えようとして声を出す。
「僕たち、アリスさんにクラスメイト全員の名前を聞かれるまで白鳥 涙のことを綺麗さっぱり忘れてたんだよ。聞かれたから思い出せて、その後に合流した人たちに同じ話を聞かせたら、みんな忘れてたんだよ。だから…何も違和感がなかっただけで…」
クラスメイトは俺がクラスにいたことを綺麗さっぱり忘れていた。
言い訳に聞こえそうではあるが実際記憶を抜き取ったりする魔法があるから言い訳とも限らない。
もしかしたら本当のことなのかもしれない。と言うより絶対本当のことだろう。こうやって記憶を抜き取ったりする魔法が使える人物に心当たりしかない。
「お前が言っていることは多分本当のことなんだろうと思う。綺麗さっぱり忘れさせられる人物に心当たりがある。詳しくは説明できないがこちらを妨害しようとしてる奴がやってることだ。
お前の話を聞いてちょっと調べないといけないことができた。
じゃあとりあえずまた後で__「ちょっと待ってよ!」」
めぐるに引き止められた。
なんで止める?
これから絶対何かやったあいつに文句を言いに行こうと思っていたんだが。
やろうとしていることを止められて少しだけ苛立つ。
「もう少し説明して。なんで君だけ転生してるの?
転移じゃなくて転生なの?
どうしてこっちの世界にそんなに詳しいの?
今までどこにいたの?
青花 恵美と誠司にはこのこと伝えてるの?
やっぱり何か隠してるよね?
言ってないことたくさんあるよね?
全部話して。」
「質問が多い。あと、全部は無理だ。答えられないのもあって構わないなら、
転生している理由は色々あった。
転移じゃなくて転生な理由も1つ目と同じ理由。
こっちの世界に詳しい理由はずっと昔からこの世界で暮らしてるから。こっちと地球じゃ時間の流れがずれているから。
今までどこにいたかは…世界中いろんなところを回ってた。勇者召喚が行われる国を探すためにな。
恵美と誠司、あと穂乃果と金竜にはしっかり俺がこの城に来た日に伝えてる。
やっぱり何か隠しているかについてはまああると答えておく。
言ってないことはたくさんあるが、言う必要があるものでもないし伝えるつもりもないので言わない。
全部話すつもりもない。以上。」
「本当に何も教えてくれないの?」
「結構教えたつもりなんだが…。こちらのことを知られない程度に。」
「あと1つ。」
しつこいな。この感じだとずっと付き纏われて聞かされ続けそうだ。
何か向こうに有益な情報で向こうが知らなくて、こっちのことを知られない良い情報は…ああ、前にこの国の王様に伝えた情報があったな。
これはもうすぐこの国の王から伝える予定の情報だからこれもダメか…。
魔王に関しての情報。王に伝えた魔王だけが敵じゃないって言う情報と、これにするか?
魔王の正式な名前は魔王じゃないとか。
あとは俺がずっと味方でいるとは限らないこととか?あ〜これはやめた方が良さそうだ。
「んじゃ1つだけ。魔王の正式な名前は魔神の残り滓<魔神の靄>だ。」
「えっこれだけ!?」
「これだけでもかなりでっかい情報だし、魔王を倒すこと自体が大変だから1つでも情報が欲しいと思ったんだが…。」
「あともう1……(無言でめぐるを睨む)これ以上聞くと怒られそうだね。」
わかってくれてよかった。
「じゃあ俺は俺のやることをやってくるから。はぁ。やっぱり気まずい雰囲気になった。しばらく
「白鳥 涙さ_「今はルイだ。」なんでルイさんはそんなに魔王のことに詳しいんですか?」
「その時代を生きてきたからかな?実際に体験してるといやでも詳しくなるよ。」
他にも色々な理由がある。
だが、昔その時代を生きていたのも確かだ。これも本当の理由の一つだ。嘘にはなっていない。
今はそれだけを知っていてほしい。
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