23話 スカイアイランドアドベンチャー
こんにちは!私の名前は青花 恵美です。異世界を冒険する冒険家です。さあ、今日冒険するのは天空に浮かぶ氷の島。スカイランドです!
みなさん左手をご覧ください。森がありますね。なんと全て氷でできています。一回口の中に入れてみましたが、普通に美味しい氷でした。地球の氷と異世界の氷、どっちが美味しいかと言われると、迷わず異世界の氷を選びますね。天然水を凍らせて舐めた気分になります。大きな氷と小さな氷の粒。大きさによって光の反射の仕方が違うので、さまざまな方向に光ってとても綺麗です。まるでステージの照明のような輝きです。
右手をご覧ください。右には地上が見えない青空と、島の地面には霜に包まれた草が生えています。キラキラと星のように優しい光り方をしています。こちらの方が目には優しいので、眩しいのが苦手な方はこちらを見ることをお勧めします。
道を進んでいると、前から氷の狼が現れました。名前は…アイスウルフ。そのまんまですね。レベルがかなり高いので、確実に強いです。とりあえず倒していきます。
ーピシッ
私の頬スレスレで、氷の刃が通り過ぎた。
ごめんなさい。少しふざけてた。もうふざけずに、これからは真剣にやっていこうと思った。
アイスウルフに攻撃しようとした時、私のすぐ横の地面に氷の刃が刺さった。自分でも見えないくらいのスピードだったから、この狼はスピード型だということがわかる。しかもかなり早いから、魔法を放っても当たらない。本当にめんどくさい相性最悪の敵だ。
だけど、私の隣には魔法師の穂乃果がいる。穂乃果も魔法特化だけど、魔法をまだ同時に扱う技術がない私たちが、それぞれ魔法を使って二つの現象を起こすことができる。それをやれば、穂乃果が土属性魔法で足止めをして、私が魔物に攻撃をするということもできる。
魔法で腹を貫かれアイスウルフは、地面に倒れると氷のように砕け散って消えた。
「ああー。ここに出てくる魔物は足が速いタイプが多くて大変!魔法避けられるし、すぐに近くに来られるし。」
「まあまあ。落ち着いて。2人でやれば倒せないわけじゃないし、もっと頑張れば同時に魔法で攻撃することも、片方で守って片方で攻撃することもできるようになるから。」
足が速い魔物ばかりが現れるこの氷の島を私たちは進んでいた。
実は、ここはすでに最初に着地した島じゃない。最初の島は森なんてなくて霜に包まれた草がたくさん生えている草原しかなかった。そこにいる魔物も、スノウラビットというウサギだけだった。この魔物もそこそこ早かった。
最初の島を探索しているときに、下に他の島があるのを見つけた。さっきよりも大きくて、その島の下には、さらに大きな島があることも確認した。最初の島は隅々まで探索し尽くしたから、下の島へ飛び降りた。流石に、最初の島に着地したときのようなミスはしない。事前に穂乃果に頼んで、着地寸前に風魔法で勢いを抑えて無事におりた。
今度の島はほとんどが森だった。もちろん全てが氷できている。早く探索し終えて、どんどん下に降りて行こうと思う。
◆◆◆◆
森の中を走り回ること多分数時間。アイスウルフを倒しながら森の中を探索したけど、何もなかった。ただ島の上に氷の森があるだけだった。
探索し終えたから、さっきと同じように下に飛び降りる。
上空から見ると、今度の島は平原と森の半々みたい。あと、着地点の方にむかう誰かがいて、のんびりと歩いている。きっと誠司と聖也だと思った。
どうしよう。このままじゃどっちかを踏んじゃう。穂乃果も踏むかもしれないから、下手したらどっちも怪我しちゃう。
「誠司、聖也!走って避けて!」
上からじゃ手出しできないから、避けてと大声で叫ぶことしかできない。そうやって叫んで声をかけている間も体は落ちていく。風が強いせいで、大きな声で叫んでも流されて消えてしまう。
もし潰しそうになったとしたら、どちらかに受け止めてほしい。そう思っちゃうのは別にいいよね。
「おい聖也!上から恵美と穂乃果が降ってくるから避けるぞ。」
「何言ってるんだ?2人が落ちてくるわけないだろ。」
「声が聞こえた気がしたんだよ。それで上見たらって本当に落ちてくるから避けるって。」
誠司が気付いたみたいで、聖也に声をかけている。聖也はなかなか気づこうとしなくて、その間にもどんどん私たちが落ちてきている。聖也が気づかなすぎているから、誠司だけ逃げようとした。
だけどごめん。もう間に合わない。着地しちゃいそうだから。受け止めてくれなさそうでうっかり穂乃果に頼んで風魔法で加速してもらったとかは無いよ。
私と穂乃果は無事に着地した。しっかり誠司と聖也の上に。結局潰れちゃった。どうせならしっかり受け止めてほしかったな。ちゃんと手を使って。
「誠司。どうして避けようとしたの?」
一応、誠司に理由を聞いてみる。誠司は最悪の答えをすぐに言った。
「え。潰されたら重いだろーふごっ」
私は誠司を一発殴った。その言葉は絶対に許せない。女子言っちゃいけない言葉No.1の体重重いが入ってるよ。それは絶対にダメ。いくら怒ることが少ない私でも絶対に怒る。
「誠司は最低だね。」
私は思ったことをそのまま伝える。
「聖也。なんで落ちてくるのに気づかないの?私結構叫んでたよね。」
「声小さくて聞こえなかったから。ごめん。」
「声小さいことに気を遣って言ってるなら謝らなくていいよ。私の…声が小さめなのが悪いから…。」
「ほっ本当にごめん。次からもっと周りの変化に気づけるようにするよ。」
聖也は穂乃果を怒らせずに済んだらしい。女の子に気を遣うのは聖也の方が得意だね。
◆◆◆◆
「えっ。誠司も聖也も最初からここにいたの?落ちてないの?」
ゆっくり歩きながら三つ目の島の平原を進んでいた。
話を聞いていて私は驚いた。だって2人は、きがついたらこの地面に立ってたって言ったから。
「ああ。最初からここにいて、いろんなところを探索してた。」
「それで2人が落ちてきた時にピンポイントでそこにいたのはびっくりだけどね。」
「そっか。あと、平原の方が魔物に襲われやすいけどどうして森の中にいなかったの?」
「「・・・・・・・・・・・・。」」
誠司と聖也は黙り込んだ。表情も表から消えている。森の中で一体何があったのかがすごく気になる。
「でっかい蛇がいたんだよ。」
「戦おうとしても、大きすぎるからぜんぜん倒せそうになかったんだ。平原の方に出て行ったら、森の中に戻って行ったからその後からずっと平原にいるんだ。」
「そうだったんだ。合流したら倒せそう?」
「4人なら行けるんじゃないか?合流していればよかったのにって言ってただろ。」
「じゃあ、私たちも一緒になって森に行こうか。」
「そうだねーー」
急に景色が全体的に暗くなった。後ろを向くと、巨大な蛇がいた。
慌てて立ち上がって武器を構える。
「誠司。蛇、平原に出て来ないんじゃなかったっけ。」
「あれぇ?なんでだろうな。」
「わからないなら、無責任なこと言わないで。」
「すみません。」
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