2章 地獄の強化合宿?
8話 強化合宿の始まり
少しだけ短くなりました。長い時と短い時があります。
本編をどうぞ。
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<ルイ 視点>
昨日はあのババのせいで睡眠の質がすごく悪くなった。最悪の気分だ。かなり不機嫌なまま1日の行動を始める。
昨日、恵美と誠司に伝えたことは、ちゃんと金竜と穂乃果にも伝わったようだ。俺をみる目がかなり変わっている。
金竜は、前よりやる気が出てきている。お前に勝って見せるという感情がこちらに刺さってくる。
穂乃果もなんだかこちらをみる目が優しくなっている。大変だったんだな。という感情の目なのだろうか。それとも…、わからないな。
まあこちらを見る目が目上の人を見る目から、同じ年の対等な関係の人を見る目に変わっている。
姿が変わってからなんだか距離が遠かったから、距離が縮まったみたいでなんだか嬉しい。
あいつらを見ていたら、朝のババへのイライラが少しおさまった気がした。」」
◆
なんで…?なんで恵美に誠司に金竜に穂乃果まで俺の前で仁王立ちしているんだ?しかもそこは広間の出口だ。俺が出ようとすると出すまいととめてくる。
あいつらが(大体恵美と誠司が)こういうことをするときは、何か言いたいことがあるときだ。
とりあえず、何をやりたがっているか知る必要があるな。恵美のことだから、そのまんま聞けば答えてくれるだろう。
「なんで、お前らはここで仁王立ちしているんだ?。ど〜せ何かやりたがってるんだろ。」
「よっ、よくわかったわね。やりたいことがあるの。」
やっぱり何か企んでいた。恵美は意外とわかりやすいんだよな〜。で、何がしたいんだろうか。
「私たちを鍛えてほしい!もっと強くなっっておかないといけないでしょ。昨日あんなこと聞いちゃったらやるしかないじゃない。」
「なんだ。それがやりたかったのか。そんなこと頼まれればすぐにやってたよ。じゃあ、明日からでいい?」
「えっ、えっ?ちょっと待って。」
恵美が急にとめてきた。何か問題でもあるのか?
「本当にいいの?鍛えてもらっても。」
「構わないぞ。必要だとは思ってたからな。逆にお前らがやる気でよかったよ。」
この言葉は本当のことだ。金竜率いる勇者たちには強くなってもらわないと困るからな。やる気でいてくれるならこっちは鍛えるだけでいいんだ。やる気を引き上げてやる必要がない。俺は今同じ部屋にいるクラスメイトを1人づつ見て、不敵に笑う。
ーゴクリ
その笑顔を見たクラスメイトらは息を呑んだ。
(金竜たちが話している時に何があった?これから何が始まるんだ?)と。
「なあ、ルイさん?なんでそんなに笑っているんだ?おい!何をしようとしてやがる。」
おっと、誠司が青い顔をしてつかみかかってきた。さらっとその攻撃を避ける。まだまだ速さもパワーも足りないな。
こんなに弱いのに勇者たちの中で1番強いパーティなのか…。流石に弱すぎる。よく魔王を倒そうと思ったな。こんなんじゃあまだオーガ(三話参照)にも勝てないぞ。
これは大変だ。このままでは貴重な戦力である勇者たちがあっという間に死んでしまう。
国王は後で、脅は‥説得すればいいからな。こいつらを思いっきり鍛えるとしよう。
「お前らは、弱すぎる。だが今代の勇者金竜がもっと強くなりたいと俺に相談してきた。だから明日から1ヶ月、強化合宿を行う!お前らには最低でもレベル50になってもらう。」
「「「レベル50!?」」」
全員が二度聞きした。なんでそんなに驚いてるんだ?レベル50までは割とすぐにレベルを上げることができる。まあ、短期間にそれだけレベルを上げることは少ないと思うがな。
「勇者は死なないように気をつけるように。」
「・・・・・・・・」
俺はそう締め括った。
◆
<恵美 視点>
怖い…。
るいくんのあんな何か企んでる顔は絶対に碌なことがない。絶対にこれから大変なことになる。この感じだと私たちだけじゃなくてクラスメイトも巻き込まれるわ。
(金竜!あなた、るいくんになんてことを言ったのよ!もっと強くなりたいから鍛えてほしいなんて具体的じゃないことを言ったら…絶対に地獄を見ることになるのに!)
私は金竜を無言でにらむ。金竜絶対何が起こるかわかってないでしょ。私はるいくんが本気になるとどうなっちゃうのか知ってるんだから。
万が一るいくんが暴走状態になっちゃったら、私だけでも逃げる準備をしとかないと。
◆
「誠司…、とうとう1日経っちゃったわね。」
「ああ、そうだな恵美。」
私たちがるいくんに鍛えてもらうことになってはや1日。あっという間に強化合宿の日がやってきた。金竜たちが羨ましいわ。まだ何にも知らないんだから。3日も立たずに逃げ出したくなるわ。
さて、最後まで気絶せずに耐え切れる人はどのくらいいるのかしら。
そんなことを考えているうちにるいくんがやってきた。今回はかなり本気みたい。
「今から強化合宿を始める‼︎」
私と誠司は覚悟を決め、金竜たちクラスメイトがワクワクしている。
でも、絶対に逃げずに耐え切るという覚悟が揺らぐほど、私たちは地獄を見た…
あとがき
この章は、恵美の視点がメインとなっています。
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