ドルヲタサブロー外伝４

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モルト君は応援したいけど、藤森さんとは合わない気がするなあ。

本人には言わないけど。

家についたら連絡があって、大学の時の友達が駅に着いたから今行っていい？と。

もう、いつも突然やってくるんだから。

この子は結構変わり者で、大学出てからすぐにアメリカ旅行に行っちゃってまともに就職とかしなかった。

そのあとも結局就職はせずバイトとかできままに暮らしている。

そしてお金が溜まるとまた旅行に出かける。

だからこっちから会いたいなと思っても日本に居なかったりする。

コロナの頃はふさぎこんでいたけど最近また元気を吹き返した。

ひさしぶりだ。

そういう子だから私んちに急に来て、夕食おごってよと当たり前のように言って

食事代を浮かせたりする。

まあ全然いいんだけど。

「今度どこ行くの？」

「うん、しばらくは日本。」

「そうなの？」

「ちょっとさあ日本の中を巡ろうと思ってさ。」

「へえ。」

「意外とさ、行ってないとこ多いのよ。」

「私も全然行っていないとこ多いけど。」

「あっきーはさあだいたい旅行しないじゃん。」

大学の時は私、あっきーと呼ばれていた。

最初はあこだったけどいつのまにか変化した。

なんかこの呼び名あんまり好きじゃないけど。

「まあね。」

「私は旅行が趣味というか生きがいというかさ。それなのにさ、日本で行ってないとこ多いとかおかしいじゃん。」

「そーお？」

「そうなの！」

もりと話すと一気に大学時代に戻っちゃう。

もりは、苗字が小森で、みんな、もりって呼んでた。

「もりはなんか、いつも生き生きしてるよね。うらやましい。」

「そんなことないのよ。あっきーみたいに真面目に就職してないしさ。苦労も多いのよ。」

そんな風には見えないけどなあ。