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実際にはそのうちなんて気持ちはこれっぽっちもない。
今のままでいい。
林君のことがあってからそういう気持ちが強くなった。
遠距離恋愛かあ。
サブロー君の逆バージョンね。
「二番目のお兄さんはどこに行ってるの?」
「シンガポールです。もう2年経ちます。」
「へえ。彼女が会いに行ったりしてるの?」
「一度だけ行ったみたいです。それ以外は兄がこっちに来ます。」
「そっか。そんなに遠くはない?」
「そうですね。でもお金がかかるみたいです。」
「そうだよね。」
シンガポールでも現地の人と恋に落ちたりするんだろうか。
「彼女は心配してないの?」
「どうですかね。兄の方が心配してるっぽいです。」
「そうかあ。じゃあ、妹がチェックしないと。」
「しないです。絶対。仲いいんですよ、彼女と私。」
「そうなんだ。それはいいわね。」
私とさきおで質問攻めになっちゃった。ほとんど私か。
「あこさんは、もう長いんですか。レッスン。」
「そうねえ、もう何年も経つわ。その割に上達しないけど。楽しいからね。続けてるけど。」
「あこさんの歌聴くの楽しみです。」
「やだあ、緊張するでしょ。」
「さきおさんはなぜ出ないんですか。」
「さきおは恥ずかしがり屋さんなの。」と私。
「へただから。」とさきお。
「さきおさんの歌も聴きたいなあ。」
「今度カラオケ行きましょ。」と私。
「いいですね。そうだ兄の彼女も一緒にどうですか?」
「うん、いいわ。面白そうじゃない。」
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