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ぎくしゃくした会話をしてようやくお店にはいれるようになった。
入って席についても注文が済むとやっぱり話をするしかない。
しかも向かい合っての席でしゃべりづらい。
だんだん話すネタもなくなってくる。
沈黙になるとますます気まずい感じだ。
緊張し過ぎだよう。
何か緊張をほぐす方法ないかなあ。
しりとりしようとか?
いや子供じゃないし。
そうだ竹宮君のことを話してみるか。
いやこんな時に会社の話は嫌だなあ。
趣味は何か聞くとか、、それじゃあお見合いみたいだ。
「あこさん、趣味はなんですか?」
やば、吹き出しそうになった。
「趣味と言えるようなのないから、いつも何かないかなあって思ってる。あっ、そうだ、歌習ってます。」
「歌?コーラスとかですか?」
「うんうん、ジャズボーカル。」
「ジャズ?」
「そう。あんまり聴かなかったりするでしょ?ジャズって。」
うんとうなずいている。
ここで途切れないようにしなきゃ。
「林君はどんな音楽聴くの?」
「音楽?あんまり聴かない。」
「そっかあ。映画とかは?」
「映画?あんまり見ない。」
「私も映画館最近行ってないなあ。」
「だからさ、さきおと今度行きましょって話してる。」
「さきお?」
「ああ、咲丘さんね。」
カレーが届く。いい匂い。
「おいしそう!」
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