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天気は快晴。

近くの駅で待ち合わせ。

林君はこの間と違ってすこし派手目な服を着ている。

私は今日もカジュアル。

会った瞬間、ああまた緊張しているってわかった。


これから長いこと電車に乗る間、会話はスムーズに出来るのかしら。


もしかして林君は女の子と付き合ったことがないのか疑惑。

聞くのは失礼よね。


電車の中はほかの人に話を聞かれてしまうからなおさら話しづらい。

この間よりも無口だ。

「鎌倉なんて久しぶり。」

「。。。」

「林君は?」

「初めて。」

「そうなんだ。」

会話がすぐ途切れてしまう。


行くところはまた色々調べてきたのかなあ。

あそこ行きたいとかいったらプランが崩れちゃうかなあ。

どこ行くのって聞くのも失礼な気がするし。

ああ、また気を使ってる。

おばさんにならないようにしなきゃ。


「前行ったのがいつだったかなあ。大学に入りたての頃だったかも。」

「。。。」

「友達が出来てどこ行く?ってなって行った気がする。」

「。。。」

なんか質問した方がいいのかなあ。


「林君って○○大だよねえ。」

「うん。」

「その時の友達とかと会ったりする?」

「うん。昨日も会ってた。」

「そうなんだ。どんな仕事をしてる人?」

「昨日会ったのは3人いる。」

「へえ。みんな別の仕事しているの?」

「うん。別々。」

もうちょっとで話が繋がりそうだけど、途切れちゃう。

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