13

最初の関門は通過。


さっそくさきおに報告する。


さきおは楽しそうに聞いてくれる。

「あたしばっかりしゃべっちゃった。」

「また会うの?」

「うん、約束した。」

「幸せそう。」

「そお?」

ちょっと浮かれてるかしら。

不安があった分そうなのかもしれない。


「でもまだ付き合い始めたってわけじゃないよ。お試しだから。」

じっと私を見てる。

「いつ、お試しじゃなくなるの?」と笑う。

「もう。からかわないで。」


実際それはよくわからない。

なにがどうなったらって決めてるわけでもない。

どうなるんだろう。


また会って林君が今度は少しは緊張がほぐれるかもしれないし、

何がどうなるかなんてわからない。


「次はどこ行くの?」

「うん。晴れてたら少し遠いところに行こうって言ってた。」

「遠いところ?」

「そう。鎌倉とか。」

「いいわね。」


会うのは1週間後。

それまで仕事は何事もなく過ぎていく。

竹宮君もへまをしなかった。

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