第11話 猛獣飼ってる人の気持ちがわかる気がする

チュンチョンと早起きな鳥の鳴き声が聞こえる。


「弟君、おはよう♡♡」


「ん、うぅぅん。ねーちゃんおはよぉ。」


ふぁぁと軽くあくびをして横に寝る姉のほうに顔を向ける。いわゆる朝チュンというものをしてしまったようだ。寝ているはずなのに抜けない疲労感がむしろ心地いい。あれ?ねーちゃんいなくね。背丈にさほど差がなく、顔の位置にそこまで違いはないはずなのだ。首を左右に降っても姉の顔を視認することができない。


「さっきまであんなに頑張ってたのに、今もこんなに元気になれるんだ♡♡すごいねぇ、弟君♡♡」


想像よりも遥か下方、足元のほうから声が聞こえてきた。徐々に眠りから覚醒していくと、足に重さを感じるようになる。


「かぷっ♡」


「ん、きもちい。」


寝る寸前まで酷使されていたはずの息子は今では完全に伸びきて、いつでも発車できる状態になっている。昨日はもう一生立たないんじゃないかと思うほど寝る寸前まで姉の膣肉にゴリゴリとこすられた感覚が残っていたはずなのになんでなんだろうか。


「また、やるの…?」


「ん?当たり前でしょぉ??♡弟君のぼっこちゃんはもっとぉっておねーちゃんに甘えてきてるけどなぁ??♡♡」


お泊まりのカップルのチェックアウト前のように朝立ち処理からの2回戦目を決め、両親からの帰りをまつ。二人で入ったお風呂でシャワーに二人で当たりながら深いキスでお互いを求めあう。長年のむしゃくしゃを晴らすかのように激しいキスを繰り返していた。


ピーーーンポーーーーン


のんびりとテレビを眺めていると、家のチャイムが鳴る。


「あ、ラブラブな二人が帰ってきたな。」


「私はあの人たちにも負けないよ♡見せつけてたいな♡♡チュッ♡♡」


軽く頬にされるキスにこたえるつもりもない。これはたんにSっけがでたことだけが理由ではないと思うのだ。


「「ただいま~。」」


「あ、おかえり~~。」


「姉弟仲良くテレビなんて懐かしいのね。」


「あ。いや。たまたま。」


改めて指摘されるとちょっと恥ずかしくなってススッっと姉から離れる。ふと、横を向くと離れたはずの姉がスリスリと近寄ってきた。両親が近くにいるのにも関わらず、こっそりと太ももを撫でてくる姉。ペシっと手をたたくと軽く頬をあげ、嬉しそうな顔をする。さらにエスカレートして段々と息子に魔の手が忍び寄ってくる。両親にすら隠さなくてはならない二人だけの関係が始まっていることへの緊張なのかワクワクなのか高揚感を感じる。極秘さがより二人の思いを深めていくのだろう。


「弟君との関係が終わっちゃったら、私死ぬから。」


姉にこっそり耳うちされる。


「弟君との関係を続けるためならなんでもする♡家族でも殺せるよ♡♡」


姉の虚ろな目を見てゾクゾクさせられる。自分だけが猛獣を飼いならしているという優越感。


「僕のために生きてね。僕の命令で殺してくれる?」


「はい♡♡もちろんです♡♡」

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