第12話 かつて年の離れた先輩に学生モデルがいましたね

カーテンの隙間からさす朝日が木漏れ日のようだ。一部分から差し込む光はより強烈に顔に刺激を与え、目を覚まさせる。窓から目を背けると横にはスースーと寝息をたてる姉がいた。寝相でパジャマがめくれ腹を露にしている姉を見ていると、いたずら心がふつふつ沸き立ち、下から手を差し込み胸元まで持ってくる。下着の上からでも柔らかさが伝わるほどにはふくよかに育った姉の脂肉は置いた手に温もりを伝え、母性由来であろう優しさが感じられる。


下着越しに胸を堪能していると、いきなり手首をつかまれ、下着の下へとむりやり滑り込ませてきた。驚いて姉の方を向くと、


「直接触っていいんだよ?♡」


「おきたのね。」


「あぁ、幸せだなぁ。朝から弟君にセクハラされちゃうなんてさ♡」


「そろそろ起きなさ~~い。」


母の声が聞こえてくる。


「あ、やべっ。」


「いこっか。」


ベットから這い出した姉がふと振り返る。


「言ってなかったけどさ。私、モデルやってるんだよね。安いおっぱいじゃないんだよ♡♡」


「え?」


僕が頭の整理を終えるころには部屋に姉の姿はなかった。


放課後特に用事のない僕は人気のない家に一人。特に姉の放課後の過ごし方など今まで気にすることもなかったが、関係を持つと無性に気になってくるものだ。きこうか聞くまいか葛藤に苛まれ、何度もメッセージアプリを開いては閉じてをくり返してしまう。

まるで姉のマリオネットになった気がして、自分は姉のご主人なんだと今一度言い聞かせ、思い切ってそのアプリを閉じ、アニメでも見て気を紛らわせるようにする。


2,3話ほど見て姉のことが頭から消えたころに、ピコンと通知がなった。


ごめ~ん。お仕事長くかかりそう。浮気じゃないから安心してね♡


今思うと姉が部活に入っているなんて話は聞いたことがなかった。てっきり部活だと勘違いしていたが、放課後遅かったのはモデルの仕事が理由だったようだ。



「「ただいま~」」


両親の声がする。毎日二人そろって帰宅とは中々の仲良しようだ。普段ならまもなく姉の声が聞こえてくるはずなのだが、今日は一向に聞こえてこない。


夕食になっても姉は来なかった。


「今日おねーちゃんは外食らしいわよ。」


「羨ましいやっちゃな。あんな美人なら俺が飯に連れていきたいわ。」


「ふふふ。許さないわよぉ??」


姉の性格は母譲り。娘にすら嫉妬するのはさすがとしか言いようがない。


「あんた、今日なんかあった??全然ご飯進んでないけど。」


「え、あぁうそ。考えごとしてたわ。」


ほんとだ。目の前のご飯がほとんど減ってないことに気づき、いそいそと食べ始める。夕食が終わり風呂まで入り、寝る用意が完璧に終わったころに4人目の住人が遅ればせながら帰ってきた。バタバタと慌てた音が聞こえ、一旦静まったと思えばシャワーの音が響いてきたのでどうやらいの一番に入浴で仕事の疲れを癒したかったようだ。


「弟君♡♡ただいま!!♡♡」


お風呂上り、ホカホカと蒸気が見えてきそうな姉がやってきた。


「遅くなってほんとごめんね。心配しちゃってよね。」


「ううん、大丈夫だよ。それより、普段遅かったのはモデルの仕事あったからなんだね。今日は何食べたの~?」


「いまその話しないでっ!!」


ドンッ


いきなり姉に押し倒される。


「んんっ!」


ふっかいキス。舌を絡める力が普段よりも入っている。まるで、恨みでもぶつけるかのようだった。


「大丈夫~?なんかすごい音がしたけど~。」


「大丈夫だよ、お母さん~。私がちょっと転んだだけ~。」


「そう。気を付けてなさいよ~。」


押し倒された音を聞いた母が心配して声をかけてくれたようだ。


「やばかったね♡はぁ、弟君とキスするのが一番癒されるなぁ♡♡」


「今日ね、ちょっとやなことがあったの。偉い人とご飯に行ったんだけどね、お酒入ってたのもあってセクハラまがいのこと言われちゃったりさ。」


「そっか。それは気分良くないよね。」


ぽつぽつと落ち込んだ様子で話し始める姉。一人の女性としての尊厳と一人のモデルという職種の責任の間で葛藤があったのだろう。


「ぎゅってしておいで。ねーちゃん」


「え!?いいんですか!?♡♡」


ギュッと抱きしめてきた姉を軽く抱き返す。まるで縫いぐるみのように力を込めて抱いてくるものだから軽く息苦しい。


「私ね、いつも頑張るために弟君のためって思うようにしてるの。そうするとね、体の奥底から人智を超えた力が湧いてくるだぁ~♡♡弟君の為なら頑張れる。弟君の為って思えばなんでも耐えれるって思ってたのになぁ…。」


情緒がいったりきたりで大変なことになっている。ある時は目にハートを浮かべ蕩けた顔をしていたのに、いまでは瞳に涙を浮かべている。


「ねえ。私、ふともも触られたの。上書き、うわがきしてよぉ…。」


涙でぐずった声で囁き、僕の手をズボンの中に、地肌に触れさせ、まさぐらさせる。


「はぁ、浄化♡浄化されてく♡汚いオスに付けられた穢れが弟君の手で祓われてくの♡♡」


「き、キス♡キスしてください♡♡」


余った手で姉の顎の辺りに手をあて、唇に唇を重ねる。レロレロと僕の口内の味を確かめるようにねっとりとしつこい舌使いで長く続くいやらしいキス。


姉のストレスを全て発散するような勢いに圧倒されキスをされながら押し倒されてしまった。まるで猛獣の捕食のようなキスに恐怖とそれ以上に大きな快楽を感じ、夜は更けていった。

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